祥伝社新書<br> 韓国が漢字を復活できない理由

電子版価格
¥836
  • 電書あり

祥伝社新書
韓国が漢字を復活できない理由

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396112820
  • NDC分類 829.1
  • Cコード C0222

内容説明

韓国はもともと漢字の国だった。中国への従属関係から公文書はすべて漢文であり、世宗王が創製したハングルは蔑まれ、知識階級が使うことはなかった。日本統治時代、日本製の漢語が大量に流入する。韓国で使われた漢字熟語の七、八割は和製漢語なのである。なぜ、韓国は、漢字を廃止したのか。その後、復活論がわき起こるたびに潰されてきたのはなぜか。韓国研究で名高い著者が、その深い謎に迫る。

目次

第1章 漢字廃止は、日本のせい?
第2章 今も続く日本語風の単語追放
第3章 ハングルは、記号にすぎない
第4章 日本語と韓国語は、姉妹語ではない
第5章 韓国語は、漢字だらけ
第6章 溢れる日本製の漢語
第7章 漢字・仮名混じり文は、世界に誇る表記法

著者等紹介

豊田有恒[トヨタアリツネ]
1938年、群馬県生まれ。若くしてSF小説界にデビュー。歴史小説や社会評論など幅広い分野で執筆活動を続ける一方、古代日本史を東アジア史の流れのなかに位置づける言説を展開する。数多くの小説作品の他、ノンフィクション作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

38
1970年代までは韓国語も漢字とハングルが併用されていた。民族主義的感情のために近年では漢字を廃止してハングルだけの表記になったことを嘆いています。漢字は覚えるためのイニシャルコストはかかるが、いったん覚えてしまうと手軽に教養を身につけられるのでランニングコストが少ない。ハングルで表記・発音しても、実は漢字由来のコトバを置き換えているだけで、元の漢字を知らないと意味にたどり着けない。韓国にとって損失ではないかという趣旨の本。日本人が言うのもどうかと思いますが、日本人が韓国語を学習するヒントになりますね。2022/03/03

ひお

27
なんというか韓国語はちゃんとしてるのに漢字を捨てたからかなり学力も思想も低下しちゃった感じ。韓国語=ハングルが如何にダメかというよりは日本語がどれだけすごい言語かを知らされた気がする。ランニングコストよりもイニシャルコスト!これに尽きるね。韓国も漢字ちゃんと復活させれば話し合える気がする。ハングル至上主義撤廃しないと基盤が違えば理解できないものねぇ・・・2012/11/11

yyrn

25
韓国はなぜ漢字を使わなくなったのか?表向きはハングルで表現できないものはないからと言っているが、韓国語の多くは漢字を韓国読みした言葉をハングルで表しているため、特に経済や学術用語は日本が明治期に西洋文化を取り入れるために盛んに創作した漢字(経済、新聞、論理、科学など)をそのまま流用し読み直しているだけなので、ほとんど日本式漢字の文章になることを嫌ったらしい。なお、漢字を使わないので同音異義語が多くなり、発音を聞いただけでは意味をつかめない場合も多いとか。名前や地名はまだ漢字なのだからもっと使えばイイのに。2019/08/20

yamatoshiuruhashi

21
日本SF草創期より活躍する博覧強記の作家による本。「理由」は、結局、韓国の独善主義に尽きるのだが、そのことは読者としてどうでもよい。言語論としての考察が面白い。日本文化は漢字仮名混じり文であることに強みがあることに深く納得。確かに表音文字と表意文字の混在で視覚的にも文章の意味がより正確に伝わる。韓国や中国でも日本人が欧米語を訳した和製漢語を使うことで新しい技術、思考を吸収しやすかったのに全てハングル(仮名)にすることで強みは失われていく。現代日本語も外国語を片仮名でそのまま使い過ぎていると思う。2017/02/22

HANA

17
何故韓国がハングル一色なのか、をナショナリズムとの絡みから読み解いたもの。昔2ちゃんねるで同様の事が討論されており、ナショナリズムといった面からはそこで大体は論じ尽くされていた。この本で面白かったのは、むしろ両者を言語学的に論じている部分。同音異義語のややこしさとか漢字の利便性、明治の翻訳の部分など。しかし妬みとコンプレックスは目を曇らせるものでありますな。自分も気を付けよう。2012/07/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5167402
  • ご注意事項