祥伝社新書
「夕張問題」

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396110703
  • NDC分類 349.211
  • Cコード C0233

内容説明

日本人である私たちは、生まれると同時に、どこかの地方自治体の一員になります。東京都民にしろ、夕張市民にしろ、自治体の外にはいられません。私たちの日常生活において、「国」よりも「自治体」のほうがより密接であり、もし自治体のサービスが受けられなくなると、鉄道の廃線どころの騒ぎではすみません。「市」や「町」を、あたりまえにある空気のように思っていると、突然、酸欠死に襲われます。いま「夕張市」は財政再建団体に指定され、市民は酸欠状態です。ここからいかに脱出し、新たな活力ある、老人にも子供にも夢のある街にするには何をなすべきかを、本書は分析し、展望しています。

目次

1章 ダイヤ型=心臓の形をし、Y字形に伸びる旧石炭の町・夕張(二〇〇七年、雪の中の夕張;廃坑で夕張の心臓は停止した;夕張は心臓移植手術をした;心臓の一時停止がはじまった)
2章 「財政破綻」か、「市破綻」か?リストラは可能か?(「市」の行政担当者は死ぬ気なのか?;市破綻の直接の引き金;市破綻の遠因と真因;もうひとつの夕張・「農業」夕張)
3章 夕張の繁栄と衰退(北炭と運命をともにして;観光都市夕張とは?;いまある「廃夕張」の危機)
4章 夕張再生のシナリオ 10のテーゼ(現実的で最善のシナリオ・困難な道;現実的で次善の策・夕張「終焉」の道;最悪のシナリオ・衰滅の道)
5章 夕張、その可能性の条件=哲学(居住地の哲学;行楽地の可能性;別荘地の可能性;高齢者に住みやすい町をめざす)

著者等紹介

鷲田小彌太[ワシダコヤタ]
1942年、札幌市生まれ。大阪大学文学部卒業。札幌大学教授として哲学・倫理学を教える。評論活動のほか、哲学書・人生書・時代小説評論などの執筆を精力的に行ない、啓蒙的著作の数々は世代を問わず強い支持を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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