内容説明
精神病理や心の構造論の他、東洋宗教、神話、錬金術。心霊現象、占星術、共時的現象など、驚くほど多彩な研究に一貫するものは何か。全業績を「人生の有意味性を読み取る解釈学」として、包括的・統一的に捉え直した、画期的ユング論。
目次
序論 ユングの心理学思想と解釈の問題
第1章 ユング心理学の背景―神秘体験・心霊現象・心霊主義
第2章 心の現象学―コンプレックスと元型の有意味性
第3章 意味実在論への転回―共時性の原理をめぐって
第4章 基本的な理論的枠組―心的現実の立場と心理学的真理
第5章 心と象徴の概念と機能―心に内在する弁証法的契機
第6章 体験世界とその解釈をめぐって―方法的独我論と元型論
第7章 ユングにおける有意味性の問題―人間の宗教性と意味の体認
結論 有意味性への投企と意味世界の現成