内容説明
曹洞宗の教える「食事」に関する心がまえと実践から、インド・中国・日本の「僧食」の歴史と内容まで詰まった、前代未聞の精進料理“大全”。
目次
第1部 禅の精進料理(仏道修行としての調理;三徳六味を備えた料理;甘味と香り;絆をもって道心となす;調理前・調理中・調理後の心構え;食材と向き合う;典座の職と仏道;仏道修行として食べる;食べてはいけないものがある;坐禅堂での食事作法(上)
坐禅堂での食事作法(下)
「いただきます」と「ごちそうさま」考)
第2部 インド・中国・日本の僧食(牛乳と仏教(上)
牛乳と仏教(中)
牛乳と仏教(下)
戒律にみる食事
インドと中国の僧食(上)―作法
インドと中国の僧食(下)―食べ物)
著者等紹介
吉村昇洋[ヨシムラショウヨウ]
1977年生まれ。曹洞宗八屋山普門寺副住職。公認心理師。臨床心理士。相愛大学非常勤講師。曹洞宗大本山永平寺での2年2ヶ月間の修行経験をベースに、禅仏教や臨床心理学、精進料理、仏教マンガについて全国で講演、本や雑誌、新聞にて執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なななな
19
タイトルで「考」とついているところが、奥深い。学術書のような知識や、エッセイのような身近さ、哲学的な深みといろいろな面をもつ素敵な本だと思いました。2020/01/24
ドナルド@灯れ松明の火
16
僧侶による精進料理の作法や蘊蓄と思っていたが、少し違っていた。専らインドから中国を経て日本にもたらされた仏教の古文書から食事(典座)に関するルーツから食物のいわれや食事作法を事細かに記している。後半はやや疲れた。2019/10/23
俊介
11
著者は曹洞宗のお坊さん。NHK「きょうの料理」に精進料理の講師で出演されたり、臨床心理士でもあったり、面白い方だ。本書はそんな著者の個人的スキルなどは極力前面に出さず、膨大な資料や取材をもとに、客観的に考察を進めているところが注目される。テーマは料理だけではない。精進料理とは「思想」でもあるからだ。禅、なかでも道元を宗祖とする曹洞宗は独特の思想を持っているが、部派仏教の戒律までを辿ることで、仏教の歴史の中で何故そのような思想が生まれたのか垣間見えてきた。ただ、曹洞宗の厳しい感じはどうも苦手だな。2020/02/03
りこりり
7
良書です。2023/03/25
本と珈琲
5
もはや専門書。膨大な参考資料に、文献。この本を執筆するにあたって著者は11㎏もお痩せになったそうな。本書へかけた意気込みがビシビシ伝わってくる。何回も何回も読み込んで自分の中に1㎜でも多く取り込みたい。折に触れて読み返したい保存版。全身全霊をかけて書き上げて下さった著者に心から感謝したい。2019/09/09