内容説明
中世の精神文化を代表する偉大な作品といえば、だれでもゴシック大聖堂と共にトマス・アクィナスの『神学大全』をあげる。しかし多くの人は、いわば遙かな時代の記念碑であるかのようにトマスを遠くから眺め、讃え、そしてそのまま行き過ぎてしまう。近づいてその生の声に耳を傾ける人は稀である。本書はトマスの生の声を伝え、読者をトマスその人との出会いに導こうとする試みである。
目次
1 幼少年時代
2 ナポリ大学時代
3 修業時代
4 神学教授として
5 イタリア時代
6 第2回パリ時代
6 帰郷と最後の旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taming_sfc
1
稲垣良典先生による1992年の著作。ここでは、主にトマスの生い立ちに即して、その著作の注解がなされる形式で話しが進んでいく。稲垣先生のアクィナスに関する著作はこれまでも読んでいるので、そういう観点から言えば、あえてこの本を買って読む必要はなかったというのが率直な感想。しかしながら、稲垣先生によるアクィナスの伝記的注解をおもに知りたい読者は、真っ先に本書を手に取るべきであると思われる。それにしても、アクィナス、および稲垣先生の博識・博学さには恐れ入る。初学者お薦めの一冊。2010/12/04
秋茄子
0
トマス・アクィナスの生涯、思想についてなじみのない方は、まずこの本を読まれるといいと思います。大変読みやすく、著者の稲垣良典先生のトマスへの思いも伝わってくる名著だと思います。
mmm
0
もっと保守的ゴリゴリの人なのかとおもってたら、むしろ真逆な人だったんだね。腹が出過ぎてテーブルを丸く切り取ってたという話が笑った。2012/06/10