出版社内容情報
近代日本語研究の大きなテーマのひとつである近代漢語、新漢語の創出と拡大、中国との相互の伝播など、漢語研究の第一人者である著者の長年にわたる研究の集大成としての著作。明治以降の近代の知と学問を支えた、近代漢語の全体像を明らかにし、また近代漢語の中国への流布の詳細、また日中の言語交渉によってもたらされた諸問題、それらの現代中国語への影響をも明らかにする。
内容説明
「同じ近代において、―日本と中国でどのように新しい概念への対応がなされたか、両国の言葉の往来によって何がもたらされたか、そして個々の言葉の成立の背後に何があるのか」日本語の大きなテーマである近代漢語。その創出と拡大、中国との相互の伝播など、幕末・明治以降の近代の知と学問を支えた全体像を明らかにする。
目次
漢語の近代
第1部 漢語の由来と翻訳語としての確立(漢語の抽出;唐話の学習と吸収;近代知としての『博物新編』 ほか)
第2部 中国に伝わる新語・新概念(近代欧化文体に見られる日本的要素;「同文同種」の陥穽―『和文漢読法』の増補と『言海』;政治小説『雪中梅』の翻訳と新漢語の伝播 ほか)
第3部 語史から概念史へ(近代漢語の出自と語史記述;漢語の出典確認の限界―『四庫全書』を例に;近代漢語の履歴 ほか)
漢語の現在と未来
著者等紹介
陳力衛[チンリキエイ]
1959年中国・西安生まれ。1982年黒龍江大学卒業、1984年北京大学大学院東方言語文学系修士課程修了。1986年来日、1990年東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程単位取得中退。目白大学を経て2009年から成城大学教授。日本語史・日中言語交渉史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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