内容説明
爛熟の唐帝国、その優雅なる没落の歳月を鮮烈無類のイメージで描き、従来の唐帝国像を一新する。
目次
序章 武則天バロック残照
第1章 大周女性革命パロディ―青春末期
第2章 帝都長安の園林化―中年時代(1)
第3章 世界の完成と帝国水上博覧会―中年時代(2)
第4章 遊蕩都市の笑劇と祝祭―中年時代(3)
第5章 天宝ロココの内臓的コスモス―中年時代(4)
第6章 象徴の現前と神話の再現―更年期(1)
第7章 工芸品としての帝国―更年期(2)
第8章 牡丹の都の風俗誌―更年期(3)
第9章 廷臣官僚の良い趣味と生の気分―白居易たち
第10章 風景と読書人パーセプションの成立―王維と柳宗元
終章 再び干潟幻想のほうへ―老残期
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
19
メインテーマではないのだろうが、このシリーズ、中国の食人文化がよくでてくる。 大部分は飢饉で致し方なくってことなんだろうけど、それに当てはまらないケースも色々。 記録を読む限り、食人はありふれたことだったように思えてくる。 興味深いのは、失墜した官司が処刑されたら、それが民衆によって食されること。何か呪術的なものが背景にあるのかもしれないが、現代的感覚からはどうにも理解しがたい。 中国の古い刑罰に、レンチェ凌遅刑ってのがあるけど、あれはつまり、食人が絡んでいたのかな。 2024/01/02