内容説明
ロシア・ウラジオストクで外交官の夫が突然、姿を消した。同じく外交官である妻・雪村紗羅(SARA)は、単身現地に乗り込み、必死に夫を捜し続けるが、いくつもの謎に行く手を阻まれ…。次第に、「銀色の闇」に隠された大いなる陰謀に巻き込まれていく―日本とロシア、中国、そして北朝鮮。綿密な取材に基いて、国家の思惑と外交官の本質を暴く!書き下ろし傑作インテリジェンス・ミステリー。
著者等紹介
麻生幾[アソウイク]
1960年大阪府生まれ。小説デビュー作『宣戦布告』がベストセラーになり映画化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
98
外務省は伏魔殿?外交官は花形?だと思ってた。が、それぞれが一匹狼なのだね?日本の国益とはなんぞや?この様な人たちに任せておいて良いの?と言っても市井に暮らす一主婦には、どこの国の話なんだろうって感じでしたが。外交官の夫・隼人を探す妻・外務事務官サラ(下世話な私は二人の年収って、凄いんだろうな~なんて思ったりもして・・笑)『私なら完璧にやり遂げることができる』な~んてカッコいい事思っていたのに、足を引っ張るのはどこにでもいるんだよ。結局夫は亡くなっていて、その真相を知ってもサラの心は虚しい。あー怖い。怖い。2016/03/28
タックン
83
ロシアのウラジオストックの領事館に勤務する夫が突然失踪して、それを本省からきて探す女性外交官・SARA・・・・その捜索シーンが延々と続いて前半は読みずらかった。後半からは突然話が急展開して・・・・エスピオナージとかロシア内でのチェチェン紛争とか朝鮮の核保有とか・・・・・。夫の運命があ・・・・。そして結局は外交での外務省と警察庁の権力争いだったんだあ。SARAの行動力とか意思の強さには脱帽だったけど、最後のとこまで女性としての記述が少なくて残念だった。続編を書いてもっと魅力的にSARAを描いてほしいな。2016/03/30
幹事検定1級
33
ロシアを舞台にした外交官の夫婦が挑む軍事の闇を追う物語。日本から離れた治安が安定していない諸国での外交官の苦労が読みながら感じました。話が壮大でかつ登場人物も多く複雑に絡み合うストーリーのせいかなかなか入り込むのが難しかったです。読力不足の私はもう少し集中して作品に触れる必要がありました、反省です。(図書館本)2016/06/26
Yunemo
31
なんという5日間、表に出ない出来事って現実にもあるのでしょうね。外交官という職業の奥深さ、インテリジェンスの世界で生きる苦難、国益という名の不可思議さ、いろんな要素が詰まって、何だろうなこの世界は?というのが素直な読後感。それにしても、日本、ロシア、中国、北朝鮮を巡るこれらの動きは現実的過ぎます。知るべきではない真実、これほど大きな問題じゃないけど、自身の周りにもありますよ。知らぬ幸せ、知っての不幸、身につまされること多し。策略の果ての自滅、やっぱり正義は王道。新たな次の世界に踏み出すSARAに期待感大。2016/03/06
Nazolove
21
とてつもない壮大なサスペンス、といった感じであった。 後半からの震えてくるようなアクション、駆け引きとなかなかのボリュームでありたまらない作品である。 海外小説と思いあまり読めないかな、なんて思っていたが日本人なのでご安心を。(どこが安心か分からないが) 途中の安定した所から急展開過ぎて一部の方はびっくりされるかも分からないが、これはこれでいいんじゃないかとおもう。 全体を通して女性の心の声がなかなか面白い。 あとこの主人公がたくましいので女性の皆さんこういった女性を目指していただきたい(笑)2016/02/28