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内容説明
「シカルト、頼む、殺さないでくれ。おれはまだ若いし、丸腰だ」シカルトは二秒ほど躊躇した。そしてそれが彼の人生の最後となった。…1887年、初の万国博覧会の準備で盛り上がるバルセロナに、寒村出の少年オノフレが姿を現わす。成功を夢見て都会で暮らし始めた彼は、風変わりな下宿の住人や、工事現場の労働者、アナーキストらとつきあいながら、やがて暗黒街へと身を投じ、次第に顔役へとのし上がっていく。映画、自動車、飛行機の登場や、バルセロナの歴史を彩う多種多様な事件・風俗の記録を織りまぜながら、1928年、再び万博が開催されるまでの半世紀を描く、現代のピカレスク・ロマン。世界20余ケ国で翻訳されたベストセラー小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でろり~ん
2
傑作。スペイン・ポルトガル語圏の作家はたいして読んでいないけれど、その長編の独特の語り口は、小説の正体とは何なのか考えさせる。南米の長編小説は不思議な説得力を持っている感じがするけれど、スペインの小説も次へ次へと引っ張っていく語り口がパワフル。もちろん翻訳の技というのも大きいのだろうけれど、久しぶりに小説らしい小説を読んだ印象。フラメンコや闘牛もそうだけれど、スペインは華やかさ、美しさのすぐ隣に、常に人の死というものを置いている気がする。知らない傑作は、あとどれくらい存在しているのだろう。むむむのむ。2016/02/07
ゆたか
1
1889年と1929年の二度のバルセロナ万博の間の話。主人公オノフレがアナキストのビラ配りをする辺りは面白かったけれども、それ以降は今一つ。2014/02/01
直
0
人はこの世のからくり全て、見抜けるほどに狡くはない。2012/11/23
栗山 陸
0
時代背景の丁寧な描写が特徴的。だがそのせいで物語の筋がぶつぶつ切れてるきらいも。時間の流れも結構不規則。2010/04/15