三成の不思議なる条々

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334929862
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

関ヶ原の合戦から30年が経ち、戦の記憶も薄れかけた泰平の江戸。さる人物から、天下分け目の合戦にそれぞれの立場で関わった生存者たちと会い、「ありし日の石田三成」の聞き書きを作成せよ、との密命を受けた町人がいた。全国に散らばる生存者たちへの面会に奔走する町人。すでに年老いた者多き人々が語る、三成の素顔とは?そして密命の行きつく先は―。「敗軍の将」を語る人々は、何を想う?

著者等紹介

岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。’96年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。’98年『兵は詭道なり斎藤道三』(『簒奪者』を改題)で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀文学賞、’14年『異国合戦蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

173
図書館本。関ヶ原の戦いから30年経って石田三成がどの様な人物だったかをある男が聞いて回る物語。黒田、福島、前田、真田、宇喜多、安国寺、小早川、上杉、津軽など創作とはいえ涎もののラインナップ。三成は天下一の切れ味の包丁だが、柄が付いてない使いにくい包丁。うまい事言うなぁとこのフレーズは一番印象的でした。2015/09/20

とん大西

94
「おべっか使いの馬鹿野郎」-関ヶ原から30年を経て江戸幕府も3代家光の治世ともなれば、賊将石田三成の市井の評価はこんなもんやったんでしょうか。「今だから言える関ヶ原の真相」、「語ろう三成の素顔・横顔」-去る筋から密命を受けた一介の商人が東奔西走し往時の三成を知る人々にインタビュー。「家康と三成、道理はどちらにあったのか」-時効とはいえ、訪問する先々でのきわどい取材。はたして三成の真実とは。謎めいたルポルタージュの到着点は…あぁ、そうやったんやね。粋で愉快で小気味いいラスト。座りの良い読後感でした(^-^)2018/10/19

さつき

67
関ヶ原の合戦から30年後。さる人に依頼されて、当時を知る人々に昔話を聞いて回る男がいました。さまざまな立場、身分の人が登場して語る形式で物語が進みます。石田三成の人物像としては目新しいところはなかったけれど、いろんな視点から三成に迫る趣向が面白かったです。男に関ヶ原の話しを集めさせる目的は何なのか、最後までドキドキして読みました。2018/01/17

B-Beat

53
◎この作家さん今回初読み、面白かった。関ヶ原から30年ほど経った江戸の町。とある者から石田三成の人物調査を依頼された今でいう文具メーカーの営業マン。往年の三成の姿を追って西へ東へ奔る。出て来る出て来るこれまでに見聞きしたことのある三成に関するエピソード。司馬さんの「関ヶ原」のそれとは相違するものも多い。本作のその時代当時の現地報告のような描写ゆえに案外こちらのほうが真実かもと思えてしまう。そんな臨場感を味わいつつやがてこの調査依頼の目的が明かされる大団円も見事というか。文庫本にてまた読み返したい。2015/10/30

№9

44
これまで関ヶ原ものは読んで来なかったが、「決戦!関ヶ原」を読み、本編読了後、司馬遼太郎の「関ヶ原」読み始めると、関ヶ原の主役は、家康でも小早川秀秋でもなく、石田三成なのだなと実感する。本篇は関ヶ原から30年、依頼された町人が訳も分からぬままに戦に関わった人々への聞き取りを始め、次第に関ヶ原の実像が明らかにされていくというもの。物語りが人々のモノローグなため、説明口調になる。ベースに史実への理解がないと読むのが辛そうだ。それにしても最終章、津軽藩主の独白には、その史実を知らなかったので感動しホロリと涙した。2015/10/09

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