夜叉桜

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334925710
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと、思うことがございます」江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?切れ者ゆえに世にいらだつ若き同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之介の店『遠野屋』で売られていたことを知る。因縁ある二人が交差したとき、市井の人々が各々隠し抱えていた過去が徐々に明かされていく。生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

89
不穏な空気が漂いながらも美しかったです。最初から命が消えていくのにただならぬ雰囲気を感じました。誰もが心に抱える弥勒や夜叉が形となるかは分からないのが闇に映える桜のようです。殺された女性たちの鍵となるのが匂い袋と簪。信次郎と伊佐治が目をつけた小間物屋・清之介。事件の糸が手繰られながら語られる小間物屋の暗い過去。人の心に巣食う恐ろしさが印象的でした。夜桜が心の闇の象徴なのかもしれません。2016/02/11

kazu@十五夜読書会

62
『弥勒の月』の続編。江戸の町で、女郎が次々と殺されていく事件が起きる、同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、小間物問屋主人・清之介の店『遠野屋』で売られていたことを知る・・・そして同心・信次郎の遊び先の女郎まで・・・清之介が連れ去られ事件が大きく動く。続編で、主人・清之介が引き続き同心・信次郎らとからむ展開に驚きつつ読み進めました。若い二人を老練な岡っ引き伊佐治親分が、ハラハラしながらも、見守る?事件の謎を解いていくのでなく、登場する人物の心情を描いていく。必ず『弥勒の月』読んでから!2013/04/28

星群

60
シリーズ2作目。いやぁ、面白い!何がって、同心の信次郎が遠野屋主人の清之介に絡む様子が面白いのです。『いまさら、とぼけてどうするよ。長え付き合いだろうが』『いえ・・・さほど長くはないと・・・初めてお目にかかりましてから、まだ半年ほどしか経っておりません』このやりとりが、今回では1番のツボにはまりました。2人を見てると、まるでハブvsマングースの対決を思い浮かべてしまいます。さて、事件はやるせなかったけれど、遠野屋に可愛い家族が加わりました。幸せに成長して欲しいです。2023/06/22

パフちゃん@かのん変更

60
弥勒シリーズ第2弾。やはり遠野屋のキャラがいい。刺客として育てられ身についた腕と生まれ変わって生きる商人としての天賦の才。なぜか周りに死を引き寄せてしまうようだが、この先剣を振るわずに生きていけるのか。遠野屋にものすごくこだわる信次郎のキャラも嫌いだけれど、頭の良さと勘の鋭さはすごい。2017/06/10

Rosemary*

56
「弥勒の月」の続編。有能でありながら、冷酷で、稀に愛嬌がある同心信次郎が、連続遊女殺しの謎にせまる。程なく小間物問屋、清之介が何者かに拉致されてしまう事件も絡まり、さらに深まる闇、交差する事件。捕物劇でありながら、それぞれの心に闇を抱える者たちの心情を上手く描く人情劇。静の清之介と動の信次郎が互いを牽制しながらも気になってしまう。さらに岡っ引の伊佐治が、いい塩梅に絡んできて、三人から、目が離せません。弥勒にも夜叉にもなり得る人が、人としてどう生きていくのか次作も期待します。2014/08/23

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