屑の結晶

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屑の結晶

  • まさき としか【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 光文社(2019/09発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334913069
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

女性弁護士の視点で描く「クズ男」と呼ばれる連続女性殺人事件の容疑者が犯した罪の真相。複雑に絡み合った事件の背景と動機とは?

内容説明

小野宮楠生(33歳)は、ビルの清掃スタッフ・亀田礼子と元交際相手の山本若菜を殺害した容疑で逮捕・起訴されている。チャラい外見と「誰を殺そうと俺の自由だろ」という供述、逮捕時に笑顔でピースをするなどふざけた様子から「クズ男」と呼ばれ、彼を支援し続ける「クズ女」たちが現れるなど、話題に事欠かない。小野宮を担当する弁護士の宮原貴子は、調査を進めるうち彼が嘘をついているのではないか、という疑念を抱く。小野宮が幼少期に児童養護施設で過ごした宮城県M町へ赴き、彼と面識のあった宍戸真美という女性の存在をつかんだ宮原は、現在の真美に接触すれば小野宮の犯行動機が見えてくるのではと思ったが…クズ男はなぜ、快哉を叫びながら人を殺したのか。一気読み必至の心揺さぶる長編ミステリー。

著者等紹介

まさきとしか[マサキトシカ]
1965年東京生まれ、札幌育ち。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

173
はぁ・・クズばかりで苦しい。誰が本当のクズだろうー生きて罪を償う事が、命に替えて守ろうとしたただ一つの彼の証になるのだろう。親子とは約束とはを考える。自分が親になって気付く事がある。指切りげんまんをしなくても文字に残さなくても、相手がいてもいなくても、自分の心に誓うことはある。自分だけが知っているー女のヒリヒリした怖さと楠生の哀しみを、まさきとしかさん堪能した。2019/09/29

みっちゃん

168
これはあまりにも救いがないではないか。女性二人を殺しながら「誰を殺そうと俺の自由」とうそぶき、満面の笑みでピースサインをするクズ男。が、表紙のあなたが黄色が溢れる中、見上げていたものがあなたの生きるよすがだったのか。悲しすぎるよ。そんなあなたに誰がした。他にどんな生き方を選べたというのだろうか。怒りと悲しみが胸の中で渦巻いてどうしようもないよ。2021/02/06

ナイスネイチャ

119
図書館本。女性二人を殺害した男を弁護する主人公。軽薄な容疑者の発言に振り回され、彼を擁護しようとする女性達や過去を遡り殺害した女性と容疑者が同郷だったりと二転三転する展開で楽しく読まさせていただきました。表紙のイメージとちょっと違い重たい内容でした。2020/01/14

よつば🍀

109
読み進むに連れ悲しみが募って行った。元交際相手の山本若菜とビルの清掃スタッフ・亀田礼子の二人を殺害したとして逮捕された33歳の小野宮楠生。逮捕時のチャラい言動と名前の楠生からクズ男と呼ばれ罵られる。二つの殺人事件は本当に楠生の犯行なのか、それとも真犯人が別にいるのか、動機は何なのか、弁護士の宮原貴子が調査を進めて行き徐々に明らかになる真相。毒親の存在やネグレクト、幼少時に交わした宍戸真美との約束と、勘違いから生まれた犯行、全てのエピソードが辛い。親から承認されず居場所のない子らの孤独に胸が締め付けられた。2019/11/05

★Masako★

84
★★★✰︎二人の女性を殺害したとして逮捕された小野宮楠生(くすお)。取り調べに対して「誰を殺そうと俺の自由」とコメントし、送検の際には満面の笑みを浮かべピースサイン。沢山の女性を股にかけてたこともあり「クズ男」と呼ばれた。楠生の掴みどころのない態度と表情、突然変える供述。弁護を担当した宮原貴子は、彼に翻弄されながらも真相を突き止める為調査を始めるが…。認めてもらいたい、愛してもらいたい、楠生もクズ女たちもそして貴子も。楠生の満面の笑みの訳を知り、胸が痛む。もやっとした部分もあるが読み応えのある作品だった。2020/04/28

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