出版社内容情報
薬丸岳[ヤクマル ガク]
内容説明
身許引受人の町工場で働きながら、大学に通いはじめた町田。知り合った学生たちの起業を手伝うことにもなり、他人と過ごす時間が彼の心を少しずつ解きほぐしていく。だが、忌まわしい過去は、彼を易々と手離しはしなかった。ふたたび町田に接近する室井の真意とは…!?吉川英治文学新人賞作家が描く、エンタテインメントの醍醐味を存分に詰め込んだ圧倒的傑作!
著者等紹介
薬丸岳[ヤクマルガク]
1969年生まれ。2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。’16年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
317
とても良かった❗頁を繰る手を止めさせない圧倒的なリーダビリティー、予想の少し脇を通るような展開が心地よく、まさに傑作でした。戸籍を持たない孤高の天才町田を始め、親の愛情に全く恵まれなかった登場人物が多い。本書は人生を不遇に立ち上げざるを得なかった者への応援歌にも感じた。丁度かの目黒幼児虐待死事件の初公判と重なる時期に読了し、結愛ちゃんの未来を閉ざした親への怒りが蘇る!幼児にはとても無理だろうが、自分の境遇に絶望するも、仲間と支え合いながら未来を創り上げるのも自分自身の【選択次第】なんだと感じました‼️🙇2019/09/05
nobby
175
下巻に入っても続く軽快な展開に戸惑いながらも、ひたすらページをめくる。能天気だったり怪しい香り漂う人物達による事柄が、分かりやすく描かれるからか伏線が頭に残りにくかった。絶対的な脅威として皆から述べられる“ムロイ”の実像やら事象があまり実感できず残念…結局、室井が何を目指したのかや、町田が稔に詫びる理由がいまいち分からなかった。もちろん二人の対決を期待していただけに、ラストは少々拍子抜けで尻つぼみ感じる。全体的に心情描写が薄いのに戸惑う異質の薬丸作品という感じ。2017/05/09
小説を最初に書いた人にありがとう
139
久しぶりに一気読みさせてもらえた。巨悪な闇社会と人の愛を両立させたスケールの大きな話だった。上下巻でかなりのページ数にも関わらず中だるみをさせないストーリーは凄い。ネタバレになるので詳細は書けないが、納得感のある終わり方でよかった。2017/02/11
🅼🆈½ ユニス™
137
上巻の出だしは興奮するくらいに面白かったのに途中から冗長になりかけ下巻まで続く感じがした。いつも間にか薬丸岳が池井戸潤になり東野圭吾になり…!?❔ページを捲る手は止まらなかったので、間違いなく面白い(?)のでしょうが、全体的に薄いストーリー。 ? 「薬丸岳」と言う作家の本の中で1番最初にこの本を選んだ方達は彼の他の作品には手を出さないかも知れませんと思う。 ▫️ (んで、タメイドラッグはどうなるの?)2018/03/01
H!deking
121
いやー、めちゃくちゃ面白かった!上下巻合わせると千ページくらいになるけどあっという間でした。シャブ中のビッチから産まれた、父親も誰だかわからない無戸籍のひろしくんは、IQ161の天才。その知能を犯罪に生かすのか、世の中の為に生かすのか!?的なお話し。薬丸さんさすがです。途中回りくどいというかまどろっこしくてイラッとするとこもあるんだけど、それも含めて面白かった。結末も好みでした。いやー久々のめり込んだわー。おすすめ!2020/01/20