光文社文庫
ハルイン修道士の告白―修道士カドフェル〈15〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334761530
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

―瀕死の重傷を負った修道士ハルインは、苦しい息のなかで18年前に、身篭った恋人に堕胎を促す薬草を使わせたと院長に告白した。―九死に一生を得たハルインは過酷な旅のすえ、カドフェルが見守るなか恋人の墓前で贖罪の祈りを捧げたのだが、なぜかその母親は、二人に無関心を装うのだった。帰途立ち寄った荘園で事件は起きた。年輩の召使いが死体で発見され、さらに荘園主の妹まで…。

著者等紹介

ピーターズ,エリス[ピーターズ,エリス][Peters,Ellis]
1913年9月28日、英国シュロップシャー州ホースヘイに3人兄弟の末っ子として生まれる。祖母はウェールズ人。幼少期、地方史に造詣が深い母と一緒に、ウェールズ国境近くの古城や旧跡を見に行ったことが、将来の作家生活に大きな影響をもたらした。’33年から’40年までの7年間は化学者の助手・薬剤師として働き、第2次世界大戦では海軍婦人部隊に従軍。’36年に歴史短編小説を発表して、作家デビューを飾る。以後25年間に20冊以上の歴史小説を本名のイーディス・パージターで刊行する。’59年からエリス・ピーターズ名義で推理小説を書き始める。’81年にイギリス推理作家協会のシルヴァー・ダガー賞、’94年には大英勲章O.B.E.を授与される。翌’95年10月14日死去、享年82であった

岡本浜江[オカモトハマエ]
東京に生まれる。東京女子大学文学部英米文学科卒業。共同通信社記者、朝日カルチャーセンター講師等を歴任
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

114
この本の主題になっている修道士の物語が主になっています。カドフェルと昔の罪の贖罪ということで旅に出て、また事件が起こり、ということで楽しめます。過去と現在の濃い模様が主題になっている気がします。また人間関係や人物を、とくに比較的高齢の人物を描くのがうまい気がしました。そのような人物には、矜持、という言葉は古いかもしれませんが当てはまる感じがします。2016/06/27

夜の女王

14
事故で瀕死のハルイン修道士は、若いころ恋人とその子を死に追いやったと告解する。奇跡的に回復したハルインは恋人の墓への贖罪の旅を希望し、カドフェルは院長許可の元、彼に付き添うことになる。が、娘の母親はよそよそしく、娘の墓もそこにはなかった!・・・己の心の平安のために回りを振り回してるとしか思えないハルインの行動。同調できないが、終わりよければすべてよし。納得できない殺人1件以外は、甘々のラブストーリーだった。「この世における男の第一の仕事は、自らの魂を救うことではない」(byカドフェル)の一文が印象に残る。2018/07/17

花林糖

13
シリーズ14を読む予定だったけれど、本が見つからず1巻飛ばして読む。ハルイン修道士の贖罪の旅にカドフェルが同行する話。最後の一言が全てを帳消しにするほど◎。ラドルファス院長とヒューの出番は少なかったけれど好きな話でした。2016/04/16

ミグ

5
このシリーズを順に追っかけている人なら、こんな話も有りかなという感じ。たまたま一冊だけ手にとったにしたら推理物とは言えないので物足りなく思う。しかしカドフェルがずっとシュルーズベリの聖ペテロ・聖パウロ修道院を出ているのは久々で新鮮でした。神の御業にして奇跡が起きる。2017/04/28

きりぱい

5
王と女帝の戦いはまたひっくり返っただけで、特に関わりなくストーリーは思ったよりシンプル。最初から事故シーンが痛い。もうだめだと思ってした告解が引っ張ってくる過去。相手の傷口が開くかもしれないのに、自分の贖罪のために因果のある場所を訪ねようとするハルイン修道士。その頑なさはちょっとどうかと思いながら、付き添いは安定のカドフェル。多分そんなところだろうなとわかる筋書きながら、そこはやっぱり期待するところなのでいい結末だった。最後の台詞がぱっと温かくも爽かでいい。ずっと仕えてきたエジサは気の毒だった。2013/07/04

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