内容説明
会津藩ゆかりの地に眠る、怨と縁が織りなす怪談・綺譚。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
東北大学文学部国文科在学中に『風船ガムの海』で第三十四回文學界新人賞佳作入選。大学卒業後の1973年から91年まで文藝春秋に編集者として勤務。「週刊文春」「諸君!」「オール讀物」「別冊文藝春秋」の各編集部および文藝出版部次長を歴任。87年『明治新選組』で第一〇回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念。93年『五左衛門坂の敵討』で第一回中山義秀文学賞を、94年『二つの山河』で第一一一回直木賞を、2005年には『落花は枝に還らずとも』で第二四回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋製
22
最初の方は怪談噺が続くが、後半に入りガラリと趣が変わってきた。地域も会津だけではなく他国の話もあり、バラエティには富んでいるが怪談好きな人に薦めると考えると・・・。薦められないかな。怪談半分。史実ぽい話の構成。2014/11/17
マサキ@灯れ松明の火
6
久しぶりの怪談です(?)怪談?歴史?とにもかくにも…やはり恐いのは…幽霊、怪異にあらず…「人」につきまする……江戸…大奥こわっ!?火事場で何してらっしゃる奥女中方……2016/06/04
尾白
4
表紙ほど「怪談」ではない。最後の狐の話はほんのり切なくてよい。≪グロ≫が苦手な人は厳しいです2015/07/09
ちゃかぱん
4
時代ものと怪談が絡んだ興味深く味わい深い展開。人は何故幽霊となるにいたるのかが大変納得できる。2014/11/20
田中峰和
3
怪談を怖い話と思って読むと肩透かしを食う。恨みを残した幽霊話は「亡霊お花」と「かわ姥物語」くらい。お花は旦那の留守中、間男して殺され、姫をいじめ抜いた姥は毒蛇と一緒に棺桶に入れられる。どちらも化けて出てきた側にも非があるので同情しにくい話。「思い出かんざし」は祝言を約した男と想いをとげる前に死んだ姉が、妹の身体を借りて一緒に暮らす話。これはちょっと怖いが純情物語。「白河栄華の夢」は二百石の惣右衛門が野狐に誑かされる。神社で遭遇した美女と添い遂げるが、全ては狐の技。禄を没収放逐された後も、女を探す姿は哀れ。2016/02/20