愛国の血糊―南北戦争の記録とアメリカの精神

愛国の血糊―南北戦争の記録とアメリカの精神

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  • サイズ A5判/ページ数 566p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784327471897
  • NDC分類 253.06
  • Cコード C0098

出版社内容情報

 「悪との戦いの神話にとりつかれたアメリカ人が戦争をメロドラマ化した」 という、南北戦争についての結論を明晰で力強くかつ平易な文体で語る。

内容説明

傑出した「マン・オブ・レターズ」であったエドマンド・ウィルソンが「アメリカ最大の危機」であった南北戦争を人々がいかに経験したかを、リンカーンの演説、南部副大統領やグラント、シャーマン、リー将軍らの回想録、南部婦人や黒人女性の日記、ホウムズ最高裁判書の書簡、『アンクル・トムの小屋』、「アウル・クリーク鉄橋」、『ラヴネル嬢』などからの膨大な引用によって、生き生きと語る。歴史、伝記、日記、文学批評、文学史、誌、小説と多彩な資料を検討し「悪との戦いの神話にとりつかれたアメリカ人が戦争をメロドラマ化した」という結論を、明晰で力強くかつ平易な文体で語る本書は、著者のライフ・ワークの一つであり、その面白さは「新歴史主義」をはるかに凌ぐ。

目次

ハリエット・ビーチャー・ストウ
カルヴィン・ストウ、フランシス・グリアソン、『リパブリック讃歌』、宗教的神秘主義としての連邦
エイブラハム・リンカーン
北部の軍人たち―ユリシーズ・S・グラント
北部の軍人たち―ウィリアム・T・シャーマン
南部に滞在した北部人たち―フレデリック・L・オムステッド、ジョン・T・トロウブリッジ
南部に滞在した北部人たち―シャーロット・フォートンとヒギンソン大佐
南部同盟の三人の婦人―ケイト・ストウン、サラ・モーガン、メアリ・チェスナット
南部の軍人たち―リチャード・テイラー、ジョン・S・モズビー、ロバート・E・リー
南部におけるさまざまな意見―ウィリアム・J・グレイソン、ジョージ・フィツヒュー、ヒントン・R・ヘルパー〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おまるたろう

1
南北戦争は、アメリカにあった2国間の決戦戦争である。人類史上はじめての近代戦の酷薄な様相と、そこで活躍した英傑達をはじめとして、北部と南部の黒人奴隷制をめぐる対立は後づけであること、そして黒人と白人(農園主)との一筋縄ではない関係性、等の歴史の裏にある複雑な綾を、当時の文学作品や書簡、アジビラなどの膨大な書物のモザイクから鮮明に浮かび上がらせる。もっとも、これだけなら他にも類書はあるだろう。この本と凡百の類書とを決定的に違わせているもの、それは著者が断固「詩」の側について、賭けている、という点につきる。2019/07/12

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