出版社内容情報
西洋古典学を専門とする著者が、ことばに関する豊富な 〈こぼれ話〉 をまとめた、味わい深いエッセイ集。英語観に広がりと奥行きを与える一冊。
内容説明
西洋古典学を研究する著者がことばに関する豊富な話題の中から、古典と英語、・英文学との接点をとりあげる。
目次
賽は投げられたか
田舎のねずみと町のねずみ
大山鳴動してねずみ1匹
健全な肉体に健全な精神
クセノポンの『アナバシス』
イソップなどを読んで文楽や志ん生を思い出すこと
ヒストリアはいつから歴史になったか
きわめて異色な本のこと
探偵アリストテレス
シクラメン
棺のこと
役者・偽善者
白鳥の歌
ギリシア語・ラテン語を学んで日本語を考える
語学の練習問題の楽しみかた
まったく知らない事柄について書かれた英語
はじめて暮らした英国で驚いたこと〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
from_kumagaya
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授業中に話したおもしろい余談をまとめた本。私には少々高尚だったので読み進むのに時間がかかったが、文章がわかりやすく大変興味深く読めた。落語の「松山鏡」とその原話と思われる西洋の寓話を比較するところや、ミトリダテスという人物の凄いとしか言いようがない生き様とか、情報が少ない時代ゆえの驚きに満ちた体験などにはニヤリとさせられたりもした。特に「ギリシャ語・ラテン語を学んで日本語を考える」の章は、物事を言葉を用いて伝えるという点で実に興味深い論が展開される。知的好奇心の豊かな人にとっては非常に楽しめるエッセイでは2013/03/14