“現代家族”の誕生―幻想系家族論の死

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326653058
  • NDC分類 365.5
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「親の顔が見てみたい!」調査が解明した驚きの真実。今の家族問題のすべては、歴史的・社会的必然の結果という実証考察学的研究。

今日の家族問題の原因を探るために「親の顔が見てみたい!」調査を敢行。現代家族の形成が戦後日本の歴史的・社会的必然によるものであったという、これまで語られることのなかった真実。確かな証拠と論考によって導かれる実証考察学だけが到達した真相とは。これまでの幻想系家族論を一挙に淘汰する著者渾身の最新研究。現代家族の定義はこの本から生まれ変わる。

関連書:同著者『変わる家族 変わる食卓』(小社刊)


序章 食の崩れの原因を求めて

第一章 結婚した娘をもつ母親たちの奇妙な発言
1 自慢じゃないが娘は料理上手
2 娘の料理は食べたことがない
3 崩れた食でも娘には言わない
4 娘に料理は教えなかった

第二章 元祖新人類の母親たち
1 「食」の原点を喪失した女たち
2 真似したくなかった昔ながらの食事
3 「習う」ことなくさせられた「お手伝い」
4 料理学校へ行き始めた女たち
5 墨塗り教科書──「新教育」で育った女たち
6 古いものを否定した女たち
7 働き出した女たち
8 遊び始めた女たち
9 夢は「家つきカーつきババア抜き」

第三章 激変する台所と家庭の食
1 卓袱台を捨てた主婦たち
2 コンロから電子レンジまで、台所の激変
3 便利な家電と家族の変化
4 都市化と食のクロスオーバー
5 日本の食が変わった時代
6 「新しいもの」「違うもの」がご馳走
7 インスタントと食の近代化
8 「素材発想」から「メニュー発想」へ
9 「素」がなければ作れない

第四章 「新専業主婦」の誕生
1 電化を急進させた家庭
2 テレビとマスコミ時代の始まり
3 情報を消費する主婦たち
4 出かけずにいられない主婦たち
5 「新専業主婦」の誕生
6 オーブンの購入と趣味化する家事

第五章 「お子様」時代の始まり
1 「お子様」時代の始まり
2 経験者の知恵より「育児情報」
3 育児書と変わる育児
4 ウチの娘も「習い事」
5 「好き嫌い」のない子供たち
6 「子供中心食」家庭の始まり
7 年中行事より子供の誕生会

第六章 「伝えない」「教えない」母親たち
1 子供の意思を尊重したい
2 「個性尊重」だから無理させない
3 人それぞれ、いろいろあっていい
4 理由があれば、何でもアリ
5 一応、一通り、とりあえず、人並み
6 「普通」であれば受け入れる
7 見た目よければ、それでよし
8 時代、時代で変わるから
9 「続ける」より「乗り換え」が大事
10 「御節」という集団幻想

第七章 「してあげたい」「してあげる」母親たち
1 「してもらう」手伝いから「させてあげる」手伝いへ
2 「なんとかなる」から教えない
3 伝えられない「お袋の味」
4 「してあげたい」母親たち
5 娘が「かわいそう」「大変」

第八章 「お楽しみ」繋がりの三世代
1 文句を言わぬ男たち
2 アクティブシニアミセスの誕生
3 「お楽しみ」繋がりの三世代

終章 <現代家族>の誕生──そして必然的に食は崩れた

あとがきにかえて──幻想系家族論の死

内容説明

いつから日本はこうなった!?こんな家族に誰がした!?親の顔を見に行くと、家族のいまが見えてくる。「親の顔が見てみたい!」調査敢行。

目次

序章 食の崩れの原因を求めて
第1章 結婚した娘をもつ母親たちの奇妙な発言
第2章 元祖新人類の母親たち
第3章 激変する台所と家庭の食
第4章 「新専業主婦」の誕生
第5章 「お子様」時代の始まり
第6章 「伝えない」「教えない」母親たち
第7章 「してあげたい」「してあげる」母親たち
第8章 「お楽しみ」繋がりの三世代
終章 “現代家族”の誕生―そして必然的に食は崩れた

著者等紹介

岩村暢子[イワムラノブコ]
1953年北海道生まれ。法政大学卒業。現在、株式会社アサツーディ・ケイ200Xファミリーデザイン室室長。1960年以降生まれの人々を対象とした継続的な調査研究に基づき、現代の家庭や社会に起きるさまざまな現象を読み解くことをテーマとしている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

5
養老先生の『超バカの壁』で紹介されていて気になって購入。本書は既婚で40代く娘を持つ母親世代40人を対象に、昔の食生活や娘との関わり方などをアンケートやインタビューでまとめたもの。この結果から母親は娘に必要以上に気を使い、娘も親に甘えられるだけ甘える構図がよく見える。娘が食事にコンビニで買ってきた食材を並べるのに理解を示す一方で、周囲と同調しようとする意識が強く働いていて言うほどには個を重んじていないブレが見える。娘世代に欠けているのは、毎日毎日の都合や事情に合わせつつ作り続ける能力なのである、には納得。2014/09/21

たらこ

3
「今のおばあちゃん世代までは、きちんとした昔ながらの食事を作ってきた人たちのはずなのに、それを食べて育った娘たち(現代主婦)は、今なぜ」という質問には、かなり乱暴に言えば、「急激な時代変化の中で、そもそも「昔ながら」の食事を作ってなかった」ということ。やはり「おばあちゃん世代」から変わっていた。そもそもの問いこそ、我々の思い込みだったということ。では何でそんな思い込みをするのか。これは「昔はよかった」論が流行るのと繋がってくる気がする。2010/07/05

のんき

3
前著『変わる家族 変わる食卓』への反響を受けて、前著調査対象者の母親40人にインタビュー調査を行い、その反響へ答えていくもの。調査の分析そのものはなるほどと頷かせられ面白い。しかし「一人ひとりの生活者の生きた現実に即し」ながらも、結局は世代論的方向に収斂させていくような論の展開は、時代の傾向に同調することが大事と考える調査対象者達の背中を押す結果に繋がりそうで、どこか苦いものが残る。マーケティングを出発点とする調査の功罪と限界を見たような気がした。2010/01/21

YUKKE

2
アサツーデイ・ケイのマーケティング岩村暢子氏の「家族の勝手でしょ!」、「変わる家族 変わる食卓」の続編。1960年代生まれの主婦の母親たち、まさに「親の顔が見たい」という親たちへの調査結果。伝統的なおせち料理は一般家庭には、本来存在しないという真実や、定年夫へ冷凍食品とコンビニ弁当を与えて、「自分の好きな事に打ち込む」子離れ主婦の現実。私も、友人も含めホントにリアルだよね。食に限らず、「子どもの好きなように、やりたいように」という子育てを実践してきた世代だけに、反省多いです。2013/08/29

ぷるぷる

2
戦後日本史を一般的な家庭の(特に母親)視点で追ったものと考えれば興味深い。テレビとかで「お正月にはお節料理」なんてのは単なる刷り込みだったわけで伝統でもなんでもないわけである。何故か全ての部分で批判的。現代の食生活や子供のしつけは乱れているから、昔に戻ろうと主張したいのかと思いきや、昔を調べたらやっぱり貧しくて血縁の力が強くて自由が少なくあんまり良くないのが分かっちゃったんだな。ちょっと何と戦っているのか?分からない感じ。2011/07/06

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