親子関係のゆくえ

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  • サイズ B6判/ページ数 223,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326652983
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C3036

出版社内容情報

従来の性別役割分業にとらわれることなく、男性も女性も育児と仕事をそれぞれ担うことが、現在の生き難さからの解放につながる。

少子化、育児不安の増大、中高年離婚の増加など、家族をめぐる変化が顕在化している。本書は、心理学、社会学、文学、法哲学などの視点から親子関係について分析。「ケアを担う人としての男性」の視点を取り込むことにより、男女が共にジェンダーの拘束から解放された新たな家族像を提示する。

関連書:『家族のライフスタイルを問う』、『都市環境と子育て』(小社刊)

第一章 序論──人間の親子関係
1 人類の親子の進化的基盤
2 文化としての人間の家族・親子

第二章 近代家族のなかの育児葛藤
1 社会変動と人口革命
2 社会変動と女性の個人化
3 子どもの価値
4 子どもを産まない理由
5 なぜ育児葛藤か

第三章 子どもの社会化と親子関係──子どもの価値とケアラーとしての父親
1 子どもの社会化と父親
2 子育ての社会史
3 父親の子育てジレンマ──都市の父親調査の分析から
4 ケアラーとしての父親
5 ポスト近代家族の親子関係にむけて

第四章 高齢社会の親子関係
1 親子関係を捉える視点
2 親子関係についての研究動向
3 高齢者の親子関係の実態
4 親子関係と家族問題
5 新しい老親と成人子関係の創造──三世代家族から三世代地域へ

第五章 文学にみる家族のかたち──アメリカを中心に
1 あるディストピア小説の語る理想家族とは?
2 父と娘の物語
3 血縁を超えた家族の絆
4 アメリカの家族のゆくえ

第六章 家族の多元化と親子関係──契約概念導入の可能性
1 ジェンダー秩序の解体──「近代家族」へのアンチテーゼ
2 家族の再構築に関するアプローチの検討
3 家族形成の契約化──子育てに関する「信託原理」を媒介に
4 「自律的共同体」としての家族構築にむけて

あとがき
索引

内容説明

従来の性別役割分業にとらわれることなく、男性も女性も育児と仕事をそれぞれ担うことが、現在の生き難さからの解放につながる。

目次

第1章 序論―人間の親子関係
第2章 近代家族のなかの育児葛藤
第3章 子どもの社会化と親子関係―子どもの価値とケアラーとしての父親
第4章 高齢社会の親子関係
第5章 文学にみる家族のかたち―アメリカを中心に
第6章 家族の多元化と親子関係―契約概念導入の可能性

著者等紹介

有賀美和子[アルカミワコ]
1953年生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。現在、東京女子大学女性学研究所専任講師。社会学、法哲学専攻

篠目清美[ササメキヨミ]
1953年生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒業。東京女子大学大学院文学研究科修士課程修了。Brandeis大学大学院英米文学科修士課程修了。現在、東京女子大学文理学部英米文学科教授。アメリカ文学、女性学専攻
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感想・レビュー

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katoyann

19
少子化時代の親子関係に関する学際的な研究をまとめたもの。ジェンダーの視点を交えた研究がメインとなる。大きな視野を要約すると、柏木惠子論文にもあるように、女性の経済的自立志向が強い社会にあって子育ては女性の自己実現を拘束する営みとして捉えられる。それゆえ、子供との一体感は女性にはなく、むしろ子育てに関わらない男性の方が子どもを自己と切り離せない傾向にあるという。この視点を基礎としつつ、子どもの権利保障という観点からも父親男性のケア役割が求められる。20年前の著書であるが、新鮮な感慨をもって読むことができた。2023/02/26

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