都市環境と雨水計画―リスクマネジメントによる

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  • サイズ A5判/ページ数 208p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326501830
  • NDC分類 518.2
  • Cコード C3033

出版社内容情報

1999年夏の福岡市と東京都新宿区での地下階での溺死事故は記憶に新しい。それは、雨に対する都市がもつ危険性を都市住民に認知させる事件であった。
 本書の目的は、「都市水環境の再生と創生」を最終目的として、従来まったく別個に取り上げられていた雨水に起因する環境リスク、すなわち「浸水リスク」と「環境汚染リスク」を、都市のインフラストラクチュアとして重要な「下水道システム」を媒介にして総合的に取り扱うための計画方法論を展開することにある。また、リスクマネジメントの観点から都市の問題点を探る。




目次

第1部 都市生活者と雨水のかかわり

第1章  都市と雨水

 1 東京のまちなみを眺めて
 2 いびつな都市の姿
 3 都市生活者の意識のひずみ
 4 都市生活者と雨にかかわる言葉
 5 雨水計画の問題点

第2章  四大文明における神話の中の水

 1 川の水はどこから来ているのか
 2 メソポタミアの神話
 3 エジプトの神話
 4 インドの神話
 5 中国の神話

第3章  日本における都市と雨水の歴史と展望

 1 雨水が都市計画の中心課題であった
 2 雨水が既存の水路で放置された
 3 都市河川が災害と環境悪化の元凶と思われた
 4 河川行政と下水道行政により河川が分割された
 5 河川と下水の計画目標(治水安全度)
 6 雨水計画と水質管理とのかかわり
 7 生活参加型の都市環境と雨水計画

第4章  世紀末都市水環境問題

 1 都市水環境とは何か
 2 都市水循環のリスク
 3 世紀末都市水環境問題の背景
 4 新世紀のための雨水の浸透・貯留とその利用

第5章  雨水に起因するリスクマネジメント

 1 リスクとは何か
 2 浸水リスクマネジメント
 3 環境汚染リスクマネジメント
 4 浸水リスクと環境汚染リスクの相違点と共通点

第2部 都市環境と雨水計画方法論 
第6章  システムアナリストとしてのリスクマネジメント

 1 雨水問題の学際的視座
 2 都市環境と雨水計画の視座
 3 階層システムとしての雨水計画の方向
 4 環境リスクマネジメント

第7章  都市環境における雨水問題の明確化と調査

 1 都市雨水問題の構造化
 2 調査項目の設定とデータベースカルテ
 3 GIS技術の利用

第8章  雨水計画目標設定のための分析―計画降雨モデル―

 1 雨水計画と確立降雨
 2 従来の計画降雨の作成方法
 3 計画降雨のあり方
 4 計画の特性を考慮した計画降雨のモデル化と適用事例
 5 降雨の分布を考慮した計画降雨のモデル化と適用事例

第9章  雨水計画代替案作成のための分析―雨水流出解析モデル―

 1 都市における雨水ならびに雨天時汚濁負荷流出現象
 2 雨水流出モデルの分類基準
 3 雨水流出過程のモデル化
 4 雨天時汚濁負荷流出現象のモデル化
 5 解析目的とモデルの適用事例

第10章 雨水計画のための代替案の作成

 1 代替案の目的
 2 対策オプションの抽出
 3 代替案の作成
 4 雨水計画代替案の作成事例
 5 より自由な代替案の必要性

第11章 雨水環境リスクの評価

 1 雨水環境リスクの評価と分類
 2 リスクの評価モデル
 3 浸水リスク評価―ヘドニックアプローチによる
 4 環境汚染リスク評価―費用節約および回避費用アプローチによる
 5 一般選好指標モデルによる水道水のリスク評価

索引    

内容説明

雨水リスクマネジメントの観点から現在の悩める都市の問題点を探り、「都市水環境の再生と創生」を最終目的として、従来まったく別個に取り上げられていた雨水に起因する環境リスク、すなわち「浸水リスク」と「環境汚染リスク」を、都市のインフラストラクチュアとして重要な「下水道システム」を媒介にして総合的に取り扱うための計画方法論を展開する。

目次

第1部 都市生活者と雨水のかかわり(都市と雨水;四大文明における神話の中の水;日本における都市と雨水の歴史と展望;世紀末都市水環境問題 ほか)
第2部 都市環境と雨水計画方法論(システムズアナリシスとしてのリスクマネジメント;都市環境における雨水問題の明確化と調査;雨水計画目標設定のための分析―計画降雨モデル;雨水計画代替案作成のための分析―雨水流出解析モデル ほか)

著者等紹介

萩原良巳[ハギハラヨシミ]
1946年、京都市に生まれる。1968年、京都大学工学部土木工学科卒業。1970年、京都大学大学院工学研究科土木工学修士課程修了。同年、日水コン入社、システム開発部長、中央研究所主任研究員を経て、1994年、流通科学大学商学部教授。この間、東京都立大学土木工学科非常勤講師、同大学院ならびに岐阜大学大学院非常勤講師。1997年、京都大学防災研究所(総合防災研究部門・自然社会環境防災研究分野)教授に就任、現在に至る。主たる著書は、『都市環境と水辺計画』(共著:勁草書房、1988)、『水文水資源ハンドブック』(共著:朝倉書店,1997)、『21世紀の都市と計画パラダイム』(共著:丸善,1995)、『土木計画学演習』(共著:森北出版,1985)など。京都大学工学博士(題目:水環境計画に関するシステム論的研究,1977)
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