出版社内容情報
阪神大震災より4年。長引く日本経済の不況も加わって、神戸市・兵庫県経済は、未だ完全なる復活を遂げるに至ってはいない。震災後3年を経過した時点で、純生産額では全体としてすでに震災前の99％強にまで回復したというものの、この停滞はどこから生じるのか。金融・公共投資・雇用といった諸側面から復興の過程を詳細に跡付けるとともに、景気変動や震災という自然災害だけでなく、構造的・制度的要因にも言及しつつ被災地経済の本質を解さ明かす。さらに、こうした現状に対し、真の復興を目指すための経済再建への途を提言する。
内容説明
神戸経済は大震災の傷手から不死鳥のように蘇えり、２１世紀には「神戸的ポスト・モダニズム」の経済文化の磁場を形成することができるのだろうか？そして、その条件は。
目次
第１章 震災からの復興に影さす不況―震災４年目の兵庫県経済
第２章 震災からの産業復興の現状と政策的対応
第３章 震災復興と金融問題
第４章 経済復興と公共投資
第５章 雇用の復興と政策課題
第６章 長田区地域商業の復興
第７章 震災復興としての観光開発
第８章 神戸港の将来展望
第９章 ２１世紀神戸経済への展望―その持続的発展の条件
