出版社内容情報
なぜ人間は文字を読み、書くのか。またその意味とは?フランス思想や欧米の映画の事例を取り上げつつ、今日のリテラシー問題につなぐ。
我々の文字への切実な希求は、失われた全体性の「代補」なのだろうか。広く書物・読書に関心のある人々に。
関連書:森田伸子『テクストの子ども』(世織書房)
プロローグ:『アウト・サイダー』の世界
第Ⅰ部 読み書きができるということ
第一章 現代社会におけるリテラシー問題:米仏の事例から
1 リテラシーとは何か
2 伝統的リテラシー:聖なるテクストを読むこと
3 スキルとしてのリテラシー
4 文化的リテラシー
5 リテラシー神話から機能的リテラシーへ
6 生きるための文字:『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』から
第二章 「文盲」という物語:二人の羊飼いの自伝から
1 放浪の羊飼いから宮廷付き学者へ:デュヴァルの物語
2 父の教えから作家たちの教えへ:ガヴィーノ・レッダの遍歴
3 「文盲」の読み書きと啓蒙思想
第Ⅱ部 文字をめぐる思想
第三章 啓蒙の光の中で:神の書物から人間の書物へ
1 世界という書物:コメニウスの「小さな書物」をめぐって
2 ルソーとコンディヤック:二つの透明な文字
第四章 自然言語と文字:聾教育と手話の発見をめぐって
1 自然言語としての声と身振り
2 手話の発見と文字言語
第五章 公教育と文字の思想
1 フランス語作文の思想
2 「母語」と文字をめぐって
エピローグ
註
あとがき
人名索引
内容説明
世界の孤児である私たちは、何らかの代補としての文字を必要とする。本書は、その様々な営為をふりかえる「文字の思想史」の試みである。
目次
第1部 読み書きができるということ(現代社会におけるリテラシー問題:米仏の事例から;「文盲」という物語:二人の羊飼いの自伝から)
第2部 文字をめぐる思想(啓蒙の光の中で:神の書物から人間の書物へ;自然言語と文字:聾教育と手話の発見をめぐって;公教育と文字の思想)
著者等紹介
森田伸子[モリタノブコ]
1945年中国に生まれる。1966年お茶の水女子大学文教育学部卒業。1971年東京大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。日本女子大学人間社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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きいち