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東京スタディーズ

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  • サイズ A5判/ページ数 285p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784314009799
  • NDC分類 291.36
  • Cコード C0036

出版社内容情報

1980年代を中心に華々しく語られてきた東京。しかし、グローバル化の波にもまれ都市のあり様が急激に変化している昨今、東京論にも新たな語りのスタイルが要請されている。都心再開発、臨海副都心、郊外、ホームレス、皇居、建築、サブカルチャー、監視カメラ……気鋭の執筆陣がさまざまな角度から東京の現在を切り取る、まったく新しい形の東京ガイドブック。


2005年掲載
apple5月号、静岡新聞5/15(共同配信)、読売新聞5/11夕、MONOマガジン6-2号、STUDIO VOICE6月号、ベンチャーブレーン8月

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現代の都市や社会を、東京という具体的な都市を対象として複数の場所と視点から読み解き、
自分の足で歩き、それらをめぐる言葉と思考へと誘う”ガイドブック”であることを目指している。・・・

ここに収められた文章の書き手は都市、メディア、文化、地理、文学、建築等々の専門をもつ
研究者、元雑誌編集者、建築家、学芸員、大学院生などさまざまで、
各々よって立つ視点も異なれば、思考や分析する方法やスタイルも異なっている。
東京やその周辺に暮らして働く者もいれば、他の地域に拠点をもつ者もいる。
日本人ばかりではなくアメリカ人、台湾人、ポーランド人の論客も加わっている。・・・
東京という都市や現代の社会に対する複数の視点やアプローチから見た東京論の集まりであるというばかりでなく、
限られた数ではあるけれども、この都市を生き、通過した複数の具体的な人間の生の現場から発せられた複数の声からなる点でも、
「東京スタディーズ」という複数形のタイトルにふさわしいものになった・・・

ここには、東京という大都市の中に見だされる、現代の都市と社会について考えるための
いくつかの重要な切り口と、それらについて考え、語るための思考と言葉の補助線は示されているはずだ。・・・

ここに収められた文章は今から五年、一〇年たったとしても歴史的な記述として、
そしてまた理論的な分析として、十分意味をもつものであるはずだ。
                           はじめに  より


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テーマから読む

      臨海副都心◎余白化する都市空間  お台場、あるいは「力なさ」の勝利 <若林幹夫>
         六本木◎迷路と鳥瞰  デジタルな都市の想像力 <吉見俊哉>
  エスニック・スポット◎都市に埋め込まれるアジア <田嶋淳子>
      新宗教建築◎隣のユートピア <五十嵐太郎>
         野宿者◎ホームレスの空間 <西澤晃彦>
        米軍基地◎ベースとビーチ  「湘南」の記憶 <吉見俊哉>
        ストリート◎新宿ストリート・スケートボーディング  都市下位文化の日常性 <田中研之輔>
       ハイキング◎変容する徒歩空間  ロマンコースの光と影 <金子淳>
           郊外◎郊外を生きるということ  空虚さの中の過剰さ <若林幹夫>
           文学◎郊外を切り裂く文学 <石原千秋>
           映画◎映画のなかの東京 <中村秀之>
    ポピュラー音楽◎脱・地名の歌詞世界の中で <山田晴通>
        TVドラマ◎都会ドラマと九〇年代の心象風景 <ステファニー・デボア>
           台湾◎「すっぴんの東京」に出会う  日本ブームのあとさき <鄭秀娟>
           交通◎トーキョー・トレインズ  あるポーランド人社会学者の見た東京 <イレーナ・リフロフスカ>
         情報誌◎「シティロード」と七〇年代的なものの敗北 <若林幹夫>
     八〇年代以降◎舞台としての都市/散逸するまなざし <北田暁大>
         秋葉原◎「おたく」の聖地は予言する <森川嘉一郎>
    セクシャアリティ◎東京の「性」はどこに消えたのか <赤川学>
     皇居・丸の内◎占領地としての皇居 <吉見俊哉>

             ◎東京を読み、歩くためのブックガイド33 <若林幹夫>

          コラム◎地べたと自転車 <鈴木隆行>
             ◎空白地帯 <永井良和>
             ◎銭湯の思想 <西澤晃彦>
             ◎スター建築家というブランド <南後由和>
             ◎不器用な極端さ <平井太郎>
             ◎幕張ベイタウン  未来の街へようこそ <若林幹夫>
             ◎着飾った少女はなぜ東京を目指すのか <中村由佳>
             ◎緑色の欺瞞 <石原千秋>
             ◎裏返される「まちづくり」 <平井太郎>
             ◎日本橋と首都高 <五十嵐太郎>
             ◎東京の系譜①  1973年以前 <若林幹夫>
             ◎岡崎京子  都市を生きる快楽と痛み <若林幹夫>
             ◎<マツキヨ>が止まらない <中村由佳>
             ◎駅が溶けだしている <平井太郎>
             ◎電車通勤する身体 <田中大介>
             ◎「アクロス」があった <松井和哉>
             ◎東京の系譜②  1973年以降 <若林幹夫>
             ◎四谷荒木町の奥行き <鈴木隆行>
             ◎お立ち台 <永井良和>


エリアから読む
  新宿、渋谷、六本木、銀座、池袋、上野、浅草、お台場、汐留、・・・・立川、多摩ニュータウン、横浜/みなとみらい、多摩川、山手線、中央線、レインボーブリッジ、鎌倉、横須賀、・・・・計75地域

写真100点 ブックガイド付き

内容説明

巨大再開発、臨海副都心、皇居、エスニック・スポット、郊外、米軍基地、ホームレス、建築、文学、映画、サブカルチャー…複数のルートから都市の現在に迫る、新・東京ガイドブック。写真100点、ブックガイド付き。

目次

臨海副都心
六本木
エスニック・スポット
新宗教建築
野宿者
米軍基地
ストリート
ハイキング
郊外
文学〔ほか〕

著者等紹介

吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
東京大学大学院情報学環教授(社会学、文化研究)

若林幹夫[ワカバヤシミキオ]
早稲田大学教育学部教授(社会学、都市論、メディア論)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きょん

12
郊外や首都圏も含めて東京を様々な視点から考察した一冊。すでに古さを感じる部分もあるが、ヴィーナスフォート等を題材に最近乱立している巨大ショッピングモールにつながる「周辺地域との関わりを拒絶した内側に広がる街」の考察は面白かった。2014/09/29

子音はC 母音はA

4
東京にまつわる論考で書き手は社会学者に限らず多岐に渡る。総花的な印象は拭えず全体の見取り図はなく拾い読みで面白い論考を見つけるのが吉。若林幹夫「余白化する都市空間」と山田晴通「脱・地名の歌詞世界の中で」の論考が秀逸。良質なコラムも幾つか。「脱・地名の歌詞世界の中で」Jポップのヒット曲から東京とそれに関わる地名を抽出した結果、時代を経るにつれて、それらを含む曲が減少している事を指摘。「街」「都会」と云った抽象的な語に替わり東京という地域イメージが希薄化しているのではないかと仮定。眉唾だが論としては面白い。2014/08/17

d0g_ville

2
東京という多種多様な欲望が蠢く巨大な都市空間を様々な論者によって横断する「思想地図」的な書。2016/01/12

苦虫

1
ガイドブックの様に読める!この形式は面白いなぁ。でもどうせなら社会地図も載せて欲しいなぁという欲。石原千秋さんのと歌詞に描かれる東京像、サブカル雑誌論が特に面白かったかな。あとホームレス。椎名林檎の歌詞に出る東京についての論文(単体)があるらしい!オススメBGM「今夜は空騒ぎ」東京事変2012/02/14

naof

1
東京ディズニーランドやビーナスフォートについて書かれていた章が特に面白かったです。やっぱり町とか空間というのは、生活臭がする場所こそ楽しくて生き生きして見えるのだと思っています。 2010/01/23

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