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出版社内容情報
茶道をとおせば、戦後社会がこんなにもよく見えてくる!
各誌紙で紹介されています。
週刊朝日12/31号「茶道のお点前をフーコーの言う<鍛錬>から分析するなど、本書の学問的独創性は高く評価されるべきである。」(原武史明治学院大教授)、週刊文春1/27号「主観的、印象論的な文化批評が多い中で、本書は自らの体験と調査結果を踏まえた堅実な論考である」(張競明治大学教授)、高知、中国(1/23)、神戸新聞(1/30)他地方紙多数「本書の斬新さは、日本文化のシンボルともいえる<茶道>を、ジェンダーの視点を採り入れて文化人類学の手法で調べたことであろう」(篠塚英子お茶の水女子大教授)
★永江 朗さん(フリーライター)「私のおすすめ」(「i feel」出版部50周年記念号より)★
「 この本の素晴らしい点は、「お茶」のほうからではなく、「女」のほうから現代の茶道に迫ろうとしているところである。近代の茶道は、大正から昭和、そして戦後にかけて、数寄者の茶会中心から大衆の点前稽古中心へと転換した。私はその原因を敗戦による数寄者の消滅(と各流派の生き残り戦略)だと考えていた。しかし本書を読んで、その考えが浅いとわかった。標準的核家族および主婦の出現、あるいは女が置かれた状況の社会的変化を視野に入れなければ、この転換の全体は見えてこない。
私も妻と一緒に茶の湯の稽古に通っている。師匠は許状についてうるさくいわない人だが、「ご主人はともかく、奥様は許状をとっておいたほうがいいかもしれませんね」という。そのときはなぜなのかわからなかったが、本書を読んで謎が解けた。師匠の一言には、女の戦後が詰まっている。どういう意味かって? それは読んでのお楽しみ。」
2005年掲載
文藝春秋3月号、静岡新聞、他(共同配信)、週刊文春1/27号、週刊朝日12/31号、婦人公論3/7号
彼女たちを魅了する、終わりなき「勉強」
<戦後日本をあざやかに読み解く>
第1章 <お茶>の構造
①<お茶>の中心としての点前
②鍛錬からパフォーマンスへ―<お茶>の三形態
③流派と「お許し」
④<お茶>のモチーフ ― 「季節感」「慶弔」「伝統的権威」
第2章 <お茶>の戦後―「総合文化」言説の誕生
①戦後の文化ナショナリズム
②「総合文化」言説の誕生
③デパートの「茶聖」
④<お茶>の女性化(1) ― 明治期から第二次大戦まで
⑤<お茶>の女性化(2) ― 「家族の戦後体制」と<お茶>
第3章 「社中」という名のネットワーク
①<お茶>と女性ネットワーク
②「社中」の成り立ち
③「総合文化」か「作法」か? ― 選択装置としての社中
第4章 戦後女性の人生と<お茶>
①妻・母と<お茶>
②独身女性と<お茶>
③男性と<お茶>
④若い女性と<お茶>
⑤夫婦のあり方に関するアンケート
⑥点前から「勉強」へ
内容説明
そもそもは男性の文化でありながら、現在は圧倒的に女性によって営まれている茶道。いったい何が彼女たちをそれほどまでに惹きつけるのか。「点前」「社中」「お許し」といった基本要素から説き起こし、茶道の「女性化」の経緯をたどりながら、専業主婦を大量に生み出した戦後の家族のあり方、ひいては女性たちの人生のあり様をあざやかに浮かび上がらせる、ユニークな視点からの戦後日本社会論。
目次
第1章 “お茶”の構造(“お茶”の中心としての点前;鍛錬からパフォーマンスへ―“お茶”の三形態 ほか)
第2章 “お茶”の戦後―「総合文化」言説の誕生(戦後の文化ナショナリズム;「総合文化」言説の誕生 ほか)
第3章 「社中」という名のネットワーク(“お茶”と女性ネットワーク;「社中」の成り立ち ほか)
第4章 戦後女性の人生と“お茶”(妻・母と“お茶”;独身女性と“お茶” ほか)
著者等紹介
加藤恵津子[カトウエツコ]
国際基督教大学国際関係学科助教授(文化人類学)。慶応大学文学部文学科英米文学専攻卒。同大学院文学研究科修士課程修了。カナダ・トロント大学大学院博士課程修了(言語・記号人類学)
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