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内容説明
カオスから脳へ。哲学、科学、芸術を貫く独創的思考。今世紀最大の哲学者ドゥルーズとガタリの思索の総決算。
目次
序論 こうして結局、かの問は…
1 ひとつの概念とは何か
2 内在平面
3 概念的人物
4 哲学地理学
5 ファンクティヴと概念
6 見通しと概念
7 被知覚態、変様態、そして概念
結論 カオスから脳へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
12
素晴らしい。最高峰の哲学論であり、芸術論であり、DG、特にドゥルーズの思想を凝縮した総括的な本でもある。哲学とは、概念の創造である。この言葉を根本に、概念とは何か、概念の運動する大地としての内在平面とは何かをリズミカルに強い力で語り、その哲学と、関数的な命題、ファンクションを創造する科学と論理学、感覚の合成=創造により被知覚態、変様態を作る芸術との関係、接合による生成の地平を語っていく。いつも通り難解だが、読んでいる感覚はとにかく気持ちいいのが不思議。DGを読むとは、読者が生成=創造するということか2011/09/29
内島菫
5
「白痴」について調べたくて読んだ本。「白痴」とは、「前概念的内在平面と概念とのあいだで行ったり来たりする、中間的な、或る朧な存在」であり、「公的教授に対する私的思想家」である。「白痴」は、「ひとつの概念を、誰でもがそれぞれの立場で権利上所有している生得的な諸力によって形成」し、「思考することを欲し、『自然の光〔理性〕』によって、自分自身で思考する者」である。つまり、私の考える「感覚」に近いのではないかと感じた。しかもそれは、「起源」と重なるように見えるが、本来は、始まりや終わりと関係無いと思われる。2013/09/28
Bevel
3
カオスに由来する(カオイド的な)三つの平面がある。哲学は、「たがいに分離不可能なvariation(変奏)の集合」である概念とともに、内在平面を作ることで共立性を保ちカオスと戦う。科学は現実性を目指し、無限速度を減速しカオスと断絶することでファンクションを取りだし、「物の状態」を表す準拠平面を作る。哲学も科学も概念的人物、部分観測者を生み、人間の知覚とaffectionに作用する。芸術はperceptとaffectのブロックであり、知覚やaffectionと切り離された別の感覚を作る合成平面を組織する。2011/05/25
madofrapunzel
1
★★★★★ とても密度の濃い1冊。科学論になるとわけわからんが。哲学の地位は少しも失われていない、現代の哲学は、マイナー学問として存在を輝かせ続けるだろう。要するに伝わる人に伝わればいいってこと。これを読むと学問の有用性とかいうのはいったん置いておこうという気持ちになる。むしろ哲学とは学問の有用性とは何かと問うことでその概念を揺さぶるようなものであるのだから。2013/02/04
takuro tanaka
0
哲学とは何か。科学とは何か。芸術とは何か。2015/01/27