感想・レビュー
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茶幸才斎
4
福岡市の九州日報社デスク、澤山隆志の平凡な日常が、怒涛のように崩れ去る4年間の出来事。淡い恋心を抱く学生時代の先輩、鑓水美樹が再会を約したにも関わらず渡米したまま帰らない。美樹の行方を探す澤山だったが、その行為により、彼は、地震を人工的に起こす装置により福岡G9サミットの妨害を狙う米国企業に目を付けられ、巨大な陰謀の渦中に放り込まれる。美樹に会いたい。澤山の望みは、ただそれだけだったのに。自然の猛威の前に人間はあまりに無力、という表現で語られる謙虚さは欺瞞である。自然を破壊し疲弊させているのが人間なのだ。2019/03/26