出版社内容情報
情報を伝える主たる場がネット空間へと移動した時代に生じたことは、真偽の区別の曖昧化である。ポスト真実の時代と呼ばれる状況において、歴史はさらに不可知性を高めている。ポスト真実の時代に対する歴史家の応答。
岡本充弘[オカモトミチヒロ]
著・文・その他
内容説明
個人から歴史を考えなおす。過去はなぜ私や私たちの前に歴史として現れているのだろう。ポスト真実の時代に対する歴史家の応答。
目次
序章
第1章 歴史の事実?
第2章 記憶と歴史をめぐる闘い
第3章 ポストモダニズムが論じたこと
第4章 歴史のかたち
第5章 記憶と物語
第6章 異なる視座
第7章 私たちの歴史、私の歴史
著者等紹介
岡本充弘[オカモトミチヒロ]
1945年生まれ。東京大学文学部卒業、同人文科学系大学院博士課程単位取得退学。東洋大学名誉教授。専攻:イギリス近代史、歴史理論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノルノル
2
学部・中高歴史教員にまず読んで欲しい、良質の歴史理論の概論。くだらない授業アンチョコ何冊も並べるよりはるかに有益。2018/02/24
ヨシオ・ペンギン
0
ポストモダニズムが歴史学に及ぼした影響について丁寧に整理されている。それは,歴史修正主義との関係を切り口に論じられる。「事実として」という立場からの議論は歴史修正主義とは行うことが出来ない。ポストモダニズムは歴史修正主義に与しているのか,それとも,ポストモダニズムだからこそ歴史修正主義を乗り越えられるのか,この辺りの議論はとても示唆的。モダニティやナショナリティとは異なる歴史の重要性にまで話は進む。この辺りの歴史を突き詰めることで歴史はどのように社会に貢献することができるのか,今後も気になる議論。2020/01/21