内容説明
百人一首を一つの独立した作品として捉え、中世和歌研究者による本格的で斬新な読みで定家の創作意識の内面にせまる。
目次
第1章 『百人秀歌』の多義性の詭計(「歌仙秀歌撰」;発注者蓮生の私的な歌書;文暦2年5月現在の蓮生;坂東武者蓮生の族滅の危機;沈淪者蓮生の「述懐百首」;『百人秀歌』と『百人一首』との関係)
第2章 『百人一首』の内的構造(一つの主題;作中の主人公「我」の想定;古歌の引用という方法;主人公「我」が引用する;『百人秀歌』から『百人一首』への切継ぎ;〈表〉と〈裏〉の意味;継ぎ入れ歌3首の〈裏〉の意味;主人公「我」の「述懐」;仮説の検証―第1番歌から第98番歌まで;『百人一首』の主題歌)