考える脳 考えるコンピューター

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270000601
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C0030

出版社内容情報

★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。

内容説明

パームコンピューティング社とハンドスプリング社を設立し、数々のPDAを世に送り出してきたジェフ・ホーキンス。IT業界で大成功を収めるかたわら、彼はもう一つの情熱を追い続けてきた。脳を知りたい、脳と同じようにはたらく機械をつくりたい。そして今、大脳新皮質の「記憶」と「予測」の機能から、“真の知能”の姿が描きだされる。脳科学、コンピューター科学を揺るがす新たなビジョン。

目次

第1章 人工知能
第2章 ニューラルネットワーク
第3章 人間の脳
第4章 記憶
第5章 知能の新しい定義
第6章 新皮質の実際の働き
第7章 意識と創造性
第8章 知能の未来

著者等紹介

ホーキンス,ジェフ[ホーキンス,ジェフ][Hawkins,Jeff]
1992年にパームコンピューティング社、1998年にハンドスプリング社を設立、現在はパームワン社のCTO(最高技術責任者)を務める。ハンドヘルドコンピューター“Palm”やスマートフォン“Treo”の生みの親として、シリコンバレーでもっとも成功したエンジニア/起業家の一人に数えられる。そのかたわら、長年興味を持っていた脳についての研究をつづけ、2002年には記憶と認知の研究を専門とするレッドウッド神経科学研究所を設立した。全米工学アカデミー(NAE)会員、コールドスプリングハーバー研究所科学評議員

ブレイクスリー,サンドラ[ブレイクスリー,サンドラ][Blakeslee,Sandra]
科学ライターとして、30年以上にわたりニューヨーク・タイムズ紙で科学と医学の記事を執筆してきた

伊藤文英[イトウフミヒデ]
英米文学翻訳家。1958年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士前期(修士)課程修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

20
聴覚、触覚、運動、言語など脳の新皮質が実行するあらゆる処理には【同じ計算手段】が使われている。人間の脳は信じられない【学習】能力を持ち、数多くの環境に【適応】する。よって、脳の領域がどのような機能に特化するかは、成長の過程で流れ込む情報に大きく依存する。新皮質への入力(視覚、聴覚、触覚など)は脳にとってすべて【等価】。異なる感覚から生じる【パターン】は脳で同等に扱われる。脳はパターンしか理解しない、脳はパターンを処理する機械である。シーケンスの記憶。階層の頂点に位置する海馬。脳の中にある現実世界のモデル。2017/06/11

izw

10
脳の本質は、双方向に接続されるニューラルネットワークだという。センサーからの信号が高次の概念に集約されると同時に、予測の信号がフィードバックされ、いろいろなレベルで差分がない間は自動で処理が続く構造をしているようだ。同一の信号処理で視覚も聴覚も他の感覚も処理されるというのも言われれば当たり前だが気づきにくい観点。著者のホーキンスのその後の活動を知りたいところだが、本書以後の著作はないようだ。脳の動きを実現するシステムの開発に取り組んでいるのだろうか。2018/06/20

Arowana

6
最小単位としては情報処理で格段に劣る脳がCPUにはない、独自の並列処理と階層構造・パターンの処理・自己連想記憶による予測というメカニズムによって、全体として自己理解・フィードバック・想像力・普遍の表現による学習と応用といった高次元の能力を獲得でき、それによって機械を超える柔軟で迅速・正確な対処と創造性を実現するに至った。以上、本書の主眼は「知能とは何か」であり、クオリア・感情などの他の話題には重点を置かずに目的を人工知能の誕生に絞って書き纏められてます。「単純な仕組みが高度な結果を生み出す」らしいのです。2013/07/18

8123

4
『ガラテア2.2』の副読本として読む。本書の内容は唯脳主義どころか、唯新皮質主義という過激さでダマシオが目を剥きそうだが、人間の知能解明を目指しているわけではないのだから至極当然の立場ではある。意識・知能研究には脳神経学と人工知能開発のふたつのアプローチがあるが、本書はそのふたつのちょうど中間的な位置にある。新たに創られる知能は人間と同じ感覚器官をもつ必要はないし、チューリングテスト合格を目指すべきでもないという主張に目からウロコ。2022/09/11

nchiba

4
この本、確か出たばかりの時に買ったはずだ。長らく積読状態だった。なぜそんなに放っておいたのかわからない。読み終わってみればなかなか面白かった。シーケンスの記憶とそれを元にした予測か。そういうシステムを作るのは今でも結構難しそうだ。だけど挑戦してみたいテーマではあるな。2010/08/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5365
  • ご注意事項