白頭の人

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784267020018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

近江の小さな寺で勉学に励んでいた大谷平馬(吉継)と石田佐吉(三成)。ひょんなことから二人と幼馴染の少女・香瑠は、羽柴秀吉に仕えることになる。しかし、毛利攻めで敵に捕らわれた平馬は過酷な獄中で原因不明の病に侵される。なんとか生還するも、紅顔の美青年が、顔にしこりができ、髪や眉は抜け、残りも白髪となった。平馬はそんな自分を「白頭」と号するが、なんと顔や体が崩れ始め…。周囲からの偏見と畏怖、その中に光る秀吉や佐吉との信頼と友情。何があっても夫を支える香瑠との夫婦愛―。そして、陰謀渦巻く「関ヶ原」へ運命は大きく傾く!「軍配者」シリーズ著者による戦国歴史小説の最高傑作!!

著者等紹介

富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年北海道生まれ。98年、『修羅の跫』(後に『地獄の佳き日』と改題)で第4回歴史群像大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mae.dat

260
白頭殿こと大谷吉継。目次から目頭が熱くなる。顛末は知っているからね。でも、逆にそれしか知らなかったから。関ヶ原の合戦の結果や何やは、皆さんが知る所で御座います。その直後の湯浅五助の働きと、藤堂仁右衛門の侍としての義ですよね。それがお愉しみと思っていたのですが。しかしそれよりも秀吉との絆でした。諸々のタイミングとかもあるのでしょうが、秀吉が農家出身であることが、偏見を持たないでいられたことに繋がっていたのですかね。熱い。後ね、要所要所で黒田官兵衛が現れてね。新たに何者か気になりました。2023/07/23

とん大西

125
大河『真田丸』では、片岡愛之助の凛とした佇まいが好印象だった大谷刑部吉継。血で血を洗う戦の世ながら、明鏡止水のような生きざまは、儚くともたおやかで美しいとすら思ってしまいます。それも「顔や手足が崩れていく」という若年からの病とは無関係ではなかったでしょう。才気あふれる武者ながら、その容姿故、一歩引いて世を見つめ続けた大谷吉継。派手さはない。病魔と常に向き合いながら、己と向き合いながら戦国を生きる。三成との友情、秀吉への恩、妻への愛…。苦しい人生でしたでしょうが、やはり美しい、清廉の生涯。心地好い読了です。2020/09/19

かいと

80
大谷吉継が「白頭巾」をつけているのは、若いことにかかった病気で顔が崩れてしまって、みんなが顔を見て驚いてしまうからつけていることを知りました。石田治部と大谷刑部は仲が良かったのが、よくわかりました。2016/10/12

おかむー

80
戦国時代を描いた歴史ものにおいてほとんど主人公とされることのない大谷吉継を主人公としつつも、エンタメとして読みやすくシンプルに楽しめる良作。『よくできました』。諸将との関係やエピソードなどかなり脚色が加えられているが、あくまで娯楽作品として細かいこと言わずに楽しむものですね。病を得ているからこそ情に篤い無欲な信義の人として描かれる、ちょっと意地悪にいえば戦国ではありえない「いいひと」の物語ではあるが、だからこそリアルな歴史ものではとっつきづらいという方々にもオススメしやすい作品になってますね。2015/07/19

ケンケン

77
(388冊目)大谷吉継…戦国の世を語る上で、これ程までに欠かせぬ武将だとは~恐れ入った! 過酷な獄中により、病を患った平馬。苦境の中でも、秀吉・佐吉・家族・家臣など多くの人々に支えられた生涯は、涙なしに読めませんでした。 上杉・直江・黒田・真田との交流や戦いぶりも読み応えあり!! 是非とも一読を。2015/02/09

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