出版社内容情報
12歳のデーヴィスは、母親と祖母と一緒にNYのブルックリンに暮らしている。
近所の公園で人間ウォッチングしたり、母親の経営しているパン屋さんに遊びに行ったりする、
普通の男の子。
でも、今年の夏は違った。
自分ががっちりした肥満児的なイメージ(アメリカ英語で「ハスキー」)を持たれていることがイヤだった。
親友の女の子は、クラスの人気者の子達とつきあうようになって、距離ができてしまうし、
シングルマザーの母親が誰かとデートしはじめ、
アイルランド系の口うるさい祖母との関係も変わりつつあった。
そして自分自身も他の人と違うことが分かってきて…。
がっちり太っていて、男の子っぽくない、女の子の友達しかいない、デーヴィス君の悩める日々。
思春期における、自分が他の人と違うと思う感覚や悩みについて描いた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝手に読んだYA本つぶやくBOT
3
ニューヨークのブルックリンに住むデーヴィス。アイルランド系のおばあちゃんと、パン屋を営む母と暮らしている。体が横に大きい子どものことを、「体ががっしりしている」という意味でハスキーと言う。デーヴィスはほっぺをはたかれた感じがしてそう呼ばれたくない。オペラ音楽が好きで、ハスキー。他の子とはちょっと違う。親友のソフィの誕生日会に呼ばれなかったり、母親から恋人を紹介されてしまったりと、様々なことが重なってデーヴィスは爆発してしまう。2019/07/01
窓猫
3
作者はもともとスタンダップコメディアンだそう。そう言われるとこの本もたしかにスタンダップ・コメディのノリ。自虐ネタとか満載。それほど大きな事件が起こるわけじゃないけど、状況を雄弁に語るしゃべくりの魅力で読ませる本。 そしてその中にもちゃんと、いききとした人々や、人生の喜びと悲しみ、不安と希望が鮮やかに描かれている。後味も上々。小学校高学年ぐらいから読めると思うが、中高生や大人にもおすすめです。続編がいくつか出ているらしいので、続いて翻訳が出てくれると嬉しい。2019/06/15
拡がる読書会@大阪
1
ニューヨークのブルックリンに住む12歳の少年。 彼の普通に日常を綴ったものですが、ただの日常・・・って何? 現代の思春期に入った少年の心情を見事に描いた作品だそうで、読んでみると「そうそう、そんなこと感じてた。とか、考えてたなぁ」と思える描写がたくさんあるそうです。 https://note.com/sharebookworld/n/ne41fe7ab78ce2023/05/27
Jau
0
唸る。 子どもの思考の、正確な描写が、この本のプロットだと思う。 子どもの詩のよう。 小学校の写真を見て、忘れていた細部を見つける感じ。友達の服のワッペンとか、メンコの端を折ったとか。 大人になってよくこう分かると作者に感心してしまう。「なんとかする方法が分かるまで、このままここにいたい(トイレ)」、なくても良さそうな「きっとそうだ」。 子どもには大事で、全世界であるということ。世界は外側にも広がってると感じさせもしない。だって子どもには本当にそうだから。 日本より大人が子どもに毅然としてる。2023/02/02
MT
0
アメリカのティーン向けらしくコンプレックスのある男の子が主人公なんだが、めちゃくちゃ劣等感が強い。いい子なのはわかるけどあまりの自信のなさに、読み進むにつれこっちが参ってくる。読後は自分から進んで解決して行こうという気はなく、他力本願のかまってちゃんのイメージしか残らなかった。ハッピーエンドなのかどうかも覚えてない。2020/11/04