出版社内容情報
《内容》 デンチャースペースの考え方と治療用義歯の応用を基本に,印象から重合に至るまで維持,安定をとことん追求.何よりも,患者さんの要求に応え,安心して食べられて,生き生きと健康な笑顔を獲得する,加藤武彦の総義歯の臨床の全貌.
《目次》
はじめに……iii
第1編 治療用義歯の応用………1
プロローグおいしく食べられて生きいきと健康に………2
第1章 治療用義歯を用いた義歯製作症例………4
歯科医(院)に対する患者さんの思い………4
義歯についての患者さんの要望………5
口腔内の状態………5
顎位を決める………6
咬合器へのトランスファーの準備………7
印象………7
咬合器へのトランスファー………9
仮床の製作………10
人工歯の排列………11
ワックス・デンチャーの調整,レジンへの置換………13
咬合調整………15
患者さんに使用していただく………17
治療用義歯から本義歯へ………19
重合………22
第2章 私が到達した義歯の維持,安定に対する基本的な考え………25
考えのバックボーン………25
利用できる床の真ん中………26
吸収された骨を床で補う………28
歯槽頂間線法則の呪縛からの解放………30
デンチャー・スペース,ニュートラル・ゾーン………31
デンチャー・スペースに合った義歯をいかに作るか………33
下顎………33
上顎………38
症例 私にとって,ワット(Watt)教授の考え方で排列した最初の症例………42
患者さんと旧義歯の状態………42
義歯の製作………43
第3章 治療用義歯の製作ステップ………47
診査,診断………47
患者さんの訴えをつかむ………47
症例1 金属床で口蓋が厚い………50
症例2 常に舌がしめつけられている………51
旧義歯の診査,診断………52
何回調整しても当たりが取れない場合………53
人工歯の排列位置は適切か………53
咬合採得………55
症例 一挙に8mm挙上した例………55
咬合採得時のダブルチェック,トリプルチェック………56
ドーソン(Dawson)の中心位の採り方………57
義歯を入れたまま印象………58
義歯を入れて印象が不可能な場合………59
粘膜のアイロンがけ………60
各個トレーによるモデリング・コンパウンド-アルギン酸印象………61
仮床の作り方………63
上顎………63
下顎………64
人工歯排列位置………66
前歯………66
前歯排列症例1 口紅をさす唇に………68
前歯排列症例2 感激のあまり泣き出した患者さん………69
臼歯………70
歯科医師と歯科技工との関わり………73
総義歯臨床における歯科技工士の役割………74
咬合の与え方………75
条件のよい場合はフル・バランスド・オクルージョン………75
条件の悪い場合のリンガライズド・オクルージョン………78
治療用義歯のセット時調整………81
ワックスを即時重合レジンに置き換える………81
リライニング………81
咬合調整………82
調整後のチェック………84
リリーフ………85
顎位のリハビリテーション………87
概念………87
症例 顎位は動く………88
咬座印象………90
デンチャー・スペース全体の印象を採る………90
イボカップ重合………93
イボカップ重合に至るまで………93
イボカップ重合と遭遇………93
DSシステム………96
第4章 症 例………97
顎位の経時的変化にどう対応するか………97
症例 歯を削り 今度合うかと 薄目空き………97
シリコーンの義歯………103
シリコーン床の作り方(間接法)………107
間接法の意義………107
製作のステップ………108
もう一段の望みに応えて………111
症例1 “カム・バック”の口笛も………111
症例2 尺八がしっかり吹ける義歯………112
無口蓋義歯………113
長期経過症例………118
粘膜ブラッシング………120
第2編 在宅往診における義歯治療………123
プロローグ 介護を要する患者さんほど
しっかり食べられる義歯が欠か ケない………124
第1章 在宅での義歯治療に対する基本的な考え………126
診療室に近い環境を………126
痴呆を知ろう………127
介護技術を学ぼう………127
摂食嚥下障害を学ぼう………128
全身疾患と薬について………129
邪魔にならない義歯………130
口腔周囲のリハビリテーションと食形態………131
まとめ………132
症例1 私が在宅で,通常行っている義歯症例………133
症例2 中国の裸足医者………139
症例3 カラオケリハ………143
往診………143
実際の治療………144
症例4 入院患者さんへの義歯治療………148
第2章 健常者の中心位理論で障害高齢者の顎位を決めてよいのか?―リハビリテーション歯科医学の確立を―………152
症例5 顎位の変化を人工歯で対応………154
症例6 顎位の変化を粘膜面で対応………156
終末の美………158
その後の活動……