内容説明
料理人のすることが正しいわけではありません。厚化粧した料理は飽きます。素材の味を感じるか、が決め手。「口内調味」で好き勝手に食べるべし。うまみ=だしではない。霜降りをすると、ぐっとおいしくなる。65℃が調理のキーポイント。いつも同じ切り方や調理法とは限らない。煮魚は煮ない。魚も肉もお風呂に入れる。味つけは8・1・1が万能。だしが命ではない。水でも十分。常識にとらわれず、とことん考え抜いた結論。
目次
食に対しての思い
だしのこと
ごはんのこと
魚介のこと
肉のこと
卵と大豆製品のこと
野菜のこと
下ごしらえのこと
5つの調理法のこと
調味料の「割合」について
味つけのこと
調味料のこと
食材選びのこと
盛りつけのこと
調理道具のこと
人としてのあり方について
著者等紹介
野崎洋光[ノザキヒロミツ]
1953年福島県古殿町生まれ。武蔵野栄養専門学校卒業後、東京グランドホテル、八芳園を経て、1980年に東京・西麻布「とく山」の料理長に就任。1989年東京・南麻布に「分とく山」を開店。現在は、総料理長として4店舗を統括する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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baboocon
16
麻布の和食屋「分とく山」の野﨑洋光さんの名前は存じ上げていたが、著書は初めて。著者の経験に裏打ちされた最新の料理の法則が家庭で実践しやすい形で紹介されていて興味深かった。日本料理というと「だし」がすべての基本にあるように思いがちだけど、「だし」が命ではなく、素材からうまみが出るものはなるべくそれを活かすというのが印象的。だしの取り方、ごはんの炊き方、湯にくぐらせて余分な脂肪分やアクをとる「霜降り」など、実践してみたい。2016/06/02
さっちも
10
考えること、感じさせることが多く勉強になりました。料理が上手になるということは、方法と心構えの両方が必要で、その事を噛み砕いてわからせてくれる本と思います。2021/04/05
BEAN STARK
9
野菜によっては沸騰した湯で茹でない方が良い。菜の花、小松菜、ブロッコリー、カリフラワーなど。80℃の湯で茹で、中心が50℃くらいになるようにする。50℃を越えると酵素の働きがストップするため。ボールにポットの湯500mlを入れ(80℃)3㎝角の昆布と鰹節ひとつかみを入れ、1分待って濾すと一番だし。新しく少し熱めの湯250mlを入れて5分待って濾すと二番だしが簡単にとれる。2017/02/13
デイビッド
7
読み応えありで何度も見返したくなる本。レシピ本というよりも読み物。最近、どのレシピ本見てもなんだかみんな似たような感じに思えてしまっていたけどとても勉強になった。中身が濃いので全部を自分の中には落とし込めていないのでこれからも辞書的に使いたい。写真が全部カラーだったら良かったなぁ。2019/05/01
おりがみ
7
生活の中で料理をするときに手元に置いておきたい一冊です。なぜおいしくなるのかを考えると、作ることも食べることも豊かになるということを訴えています。レシピ通りに作ることに腐心して出来上がった結果を真剣に顧みなかったと思うと自分が恥ずかしくなります。料理全般の姿勢を説いているのでレシピは少なめですが自身で考えて展開させるには十分な内容です。終盤は料理を通して人としてのあり方を説いてで締めくくられています。読後は仕事、料理、生活、今一度見直そうと思わせてもらえました。2018/01/30