内容説明
昭和五十一年(一九七六年)、関東地方でヤマト運輸がほそぼそと始めた小口荷物宅配業、いわゆる宅急便は、五年のうちに日本の物流業界のシステムをひっくりかえしてしまった。だが、郵政省は黙っていない。下降線をたどっていた郵便小包の取り扱い数は、昭和六十年を境に上向きに転じる。「ゆうパック」「ふるさと小包」などの新規サービスを投入し、サービスの向上に努めた成果である。それだけでは終わらない。郵政省の反撃は続く。平成元年(一九八九年)、郵政省郵務局はあらたに特別配達課を創設する。目的は、民間運送業者などが逆立ちしてもできない配送サービスの提供。特別配達課、愛称は特配。これぞ、郵政省復権の切り札である。伝説の配達集団、郵政省特配課。彼らが任務を全うするまでの炎の軌跡を熱く描いた好評の文庫2冊合本。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
29歳、愛知県民、宇宙作家クラブ会員。04年、第35回星雲賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お~い
6
面白かった、痛快です。実際の郵便の方がここまでやるとある意味面白いが、経費が(笑)。二人の続きがあればいいなぁと思います。2016/12/11
ねんこさん
5
SF要素が殆どない小川一水。出版時期が郵政民営化で論争が起きていた当時なので、今読むとやっぱり懐かしさというか、時代の空気感を強く感じてしまうのはやむなし。走り屋関連の話とかもえらく懐かしさを感じるが、文章で某D並に疾走感を感じさせてしまう辺りはすげえなーと思う。2015/04/08
ひいざ
2
面白く読みました。ひと昔以上前の話っていうことではあるけれど、当時ならこんなだったのだよね、と思えます。ハッピーエンドで、よかったあ。2013/05/15
みやしん
1
カウンタック→深紅→郵便車のアイデア&やんごとなき地の通過こそが本作でやりたかったきっかけだろう。お上にあるまじき柔軟性は異次元のファンタジー。
アタケ
1
ソノラマ文庫で刊行された二作の合本。「家」でもなんでも運びますという職人的な話が独特。後半ではその組織が解散の憂き目になったことであれやこれやの別の内容に。この本、なぜか新版が出ているんだけど、ページ数も同じみたいだしなにが違うんだろう。 2012/01/29