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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流言
61
不快で共感し安堵する。コモリガエルでホットケーキを連想し、ガムにナメクジの交尾を見るウツノの価値観は共感できるものではないがそれでもどこかほっとする。ピザを食べれば礫死体を思い、寿司の海老を虫っぽいと感じるウツノは食事が嫌なのかと思えば、「好きなんだ 寿司」と独白し、スプラッタを見ながら食べるジャンクフードも好きであるらしい。食事に対する愛憎混ざった思いは、不思議な共感を呼ぶ。なぜか関西弁で突っ込みをいれる毒舌の黒猫妖精がちょっとだけこの暗澹とした世界に彩りを添えている……けど幻覚なんだよね。さみしい。2014/02/07
キク
42
気にしすぎる青年の食生活漫画。絶対に作者の性格が、青年に色濃く反映されている。じゃないと、コレは描けないと思う。1〜3巻をまとめて自宅のトイレに置いていたら、小4の娘が読んで、「あんなに、いろんな事を気にしてると毎日が大変じゃないかなぁ」と本気で心配してました。、、、多分、本気で大変だと思うけど、ウチの娘を安心させる為にも、施川には頑張って欲しいです。2020/12/09
ぐうぐう
27
負の『孤独のグルメ』とも呼ぶべき『鬱ごはん』。帯には「就職浪人生・鬱野が鬱々とした思いをめぐらせながら日々食べ物と向かい合う、“食”を楽しめない男の孤独なひとり飯。」とある。確かに鬱野は、コモリガエルを見て思い出しホットケーキミックスでホットケーキを作ったり、ハーゲンダッツのアイスを見て格差社会を実感したりと、その鬱っぷりはハンパない。しかしそれは、鬱野の繊細さが成せる結果だ。その繊細さは、世界をより理解する手だてともなる。何より鬱野は、そんな世界を実は楽しんでいる。それが、この漫画の好感だ。2014/11/26
鱒子
23
これほどメシマズな漫画は読んだことがありません。普通のグルメ漫画は深夜に読んで、お腹が空いて後悔ーーということがよくありますが、この作品は食欲を刺激しないので安心です。施川ユウキ作品はひねくれてるけど、そこが好き。2016/01/04
三柴ゆよし
23
学生時代、あるいは徹夜でゲームか何かやってるときなぞ、ふと、メシなんて食わずに済めばいいのにと思った人の数はそれなりに多いはず。一風変わったグルメ漫画が乱立する昨今、〈孤独〉や〈ズボラ〉ですら食を支える魂柱として活きてしまう、その風潮に抗うかのごとく、本書において描かれるのは食という行為が孕む煩わしさ、面倒くささ、そして気持ちわるさ、である。世にグルメ漫画は数多あれど、〈おいしくて、楽しい、食〉というそもそもの大前提を脱構築してしまったとんでもない漫画は本書を措いて他にないのでは。ひねくれものにオススメ。2015/08/29