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内容説明
地球で最後のカンガルーが死んだ。しかしそれは、新たな火星人の誕生の瞬間でもあった―。遺伝子改造され、知能を与えられたカンガルーは、人間たちの植民計画のための労働力として、大量にこの赤い惑星に運び込まれていた。ガルーと称され、幾世代もかけて苛酷な土壌に適応していった彼ら。地球におけるひとつの種族の死は、そんな彼らを過去のくびきから解き放ったのだ。「火星は我々火星人のための土地だ」。こうして、ひとつの星の未来を賭けた戦いが始まった…。悲しくも雄々しい傑作SF長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白い駄洒落王
5
人間と、改造し知性化され奴隷として火星に連れて行かれたカンガルーの戦いを描くSF。80年代SFはこういった無茶が通って面白い。馬鹿SFだね。星雲賞受賞作。2013/05/31
たくのみ
3
テラフォ済みの火星に労働力として送り込まれたのは遺伝子改造されたカンガルーたち。彼ら「ガルー」から見れば神である人間との戦いは陰惨を極め、ついに人間をカンガルーにしたスパイ部隊を送り込むが…。アバターのような展開だがもちろんこっちが先。火星版「新世界より」の結末は、逆転に次ぐ逆転の末…やっぱりそうなのね。コロニー落としをしない分だけジオンよりまし、と思ったらラスト2行で愕然としました。面白かった。2013/03/17
背表紙裏
2
なぜ、火星に送り込まれたのが改造されたカンガルーだったのか少々疑問ではあるが、人類が作り出した知的存在とどう対話するべきかを考えた作品。人類にとって失策の歴史として描かれる本作は、何かを支配する・されるという考え方に一石を投じるための作品になっていると思われる。2010/07/16
メデスキ
0
カンガルーが革命を起こし、火星人たる自覚を持つ話。「神話」を持つことが自覚に繋がるって発想は面白い。
三沢まりの
0
地球人が愚かすぎて淋しいけれど、カンガルーがステキ🦘 単なる独立戦争モノかと思えば、深かった…。 途中、豪州人作家の作品かと…💦2019/11/23