徳間デュアル文庫<br> “柊の僧兵”記

徳間デュアル文庫
“柊の僧兵”記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784199050206
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

少年ミルンにとって、生まれついての自分の白い肌は、うとましい以外のなにものでもなかった。“白い子供”―過酷な砂漠で生きる民たちの間で時折生まれる彼らは、体力的に劣る鬼っ子であり、悪しき伝承によって語られた忌むべき存在でしかなかったのだ。しかし、村が謎の侵略者に襲撃された時、なぜか生き残ったのは、ミルンと、やはり白い肌をもつ少女アジャーナだけだった。突然の破壊と惨殺。敵は何者だったのか、その目的は…。ふたりは真実を知るために、“柊の僧兵”を探す旅に出ることを決めた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miri

23
今はなき徳間デュアル文庫という、ライトノベル系のレーベルから出ていたものです。現行の早川より若干大きめというサイズ感で、入るブックカバーが限られるという悲しさ。地球外の惑星を舞台にした、少年の成長記なのですが、おそらく対象年齢が低いので、ハードSF好きには物足りない。菅浩江さんは、『雨の檻』、『永遠の森 博物館惑星』が、大人の鑑賞に耐えうる面白さだったので、そちらをお薦めしたい。でも、小学校高学年ぐらいのお子さんであれば、こちらの作品も十分楽しめると思います。2019/07/26

miroku

17
朝日ソノラマ時代の作品だけに、やはり甘さが目立つ。菅さんらしさは随所に視られるが、若年層向けという印象は否めない。2015/03/04

りゅうR

2
この作者らしいきれいな描写と想像力に脱帽です。いつも思うのだけど、この作者の想像力って果てがない。 ひ弱な少年の成長物語。圧倒的な敵に対する人々の力強さ、たくましさ。 よくあるようなSF設定を作者の想像力で独自の世界に広げている。 あまりにも敵との力量が違いすぎるのと残酷さで、途中で読むのがくじけそうになったけれど、そこを乗り切れば最後まで一気に読めます。 2013/01/28

たこい☆きよし

1
デュアル文庫版ではなく、初刊のソノラマ文庫版1990/06/30刊にて。加藤・後藤の流麗なイラストがあの時代を感じさせる。内容は繊細な独自生態系をもつファンタジー世界っぽく始まりつつ、序盤からその世界をテラフォーミングしてきた異星人の襲来があり、一気にSFに。今の視点だと、とにかくキャラもモブキャラもよく死ぬ。展開速い。ラノベなら全10巻くらいになりそうな要素がてんこ盛り。設定、心理描写に先が読めてしまう甘さはあるものの、今でも古びてはおらず楽しめる。2021/10/24

satsuki

1
ストーリーは比較的オーソドックスなファンタジー冒険もの。柊、ニューラルの第二形態→桃色の花弁、フローティングフラワーなど、花(植物)をモチーフにして情景を描く場面が美しい。大気改変装置にまで「アザミの花を逆さにしたような格好」(243頁)と表現のは菅浩江らしいと。2013/12/06

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