野望の憑依者(よりまし)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 371p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198638221
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

足利政権確立にこの男は不可欠だった! 己の野望を実現すべく数々の策を弄した名参謀・高師直の知られざる素顔。

時は鎌倉時代末期。足利家の家宰・高師直は、幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就く。しかし師直は思う。「これは主人である尊氏に天下を取らせる好機だ」。帝方に寝返った足利軍の活躍により、鎌倉幕府は崩壊。建武の新政を開始した後醍醐帝だったが、次第に尊氏の存在に危機感を覚え、追討せよとの命を下す。だが師直はすでにその先に野望の火を灯していた。婆娑羅者・高師直の苛烈な生き様を伊東潤が描いた南北朝ピカレスク、開演!

【著者紹介】
1960年神奈川県生まれ。早稲田大学卒。2013年『国を蹴った男』で第34回吉川英治文学新人賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『巨鯨の海』で第4回山田風太郎賞受賞。近著に『王になろうとした男』『黎明に立つ』『峠越え』等。

内容説明

悪に生き、悪に死す―婆娑羅者・高師直、降臨。動乱の南北朝時代。悪は正義を凌駕し、抗争が抗争を生む。野望に生きる者たちが戦いの果てに見たもの。

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じ、歴史小説や歴史に材を取った作品を発表している。『国を蹴った男』(講談社)で第34回吉川英治文学新人賞、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『巨鯨の海』(光文社)で第4回山田風太郎賞を受賞。その他の著書に『黒南風の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(本屋が選ぶ時代小説大賞2011受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とし

142
南北朝時代、鎌倉時代末期から室町時代初期足利家の家宰・高師直の物語。 憑依(野望、権力)に取りつかれた師直、やがて篠の出現で憑依が薄れ死を迎える、師直に仕えた佐平次も同じ運命をたどる。年代的にはちょっと苦手 やはり1550年以降が良いな。 2015/01/23

藤枝梅安

104
高師直といえば、「仮名手本忠臣蔵」の悪役として知られているが、実在の師直は足利家の執事(家宰)として尊氏を押したて、直義と対立し南北朝の混迷の大きな原因となった人物。悪であることに意義を見出し、あくまでも尊氏の陰で策謀を巡らすことに生きがいを感じている。その異常な思考と行動が、実はその後の時代の価値観形成の基となっている点を、筆者は架空の人物を交えて骨太な物語が進む。南北朝の混乱を史実を基に書きつつ、師直の最期を史実とは異なり、子飼いの佐平次(架空)の策謀とし、師直に憑依し魂を奪った人物として描く意欲作。2014/09/30

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

88
南北朝時代、北朝は足利家の執事である高師直の目をとおして描いた時代小説。死というものが日常茶飯事に起き、野望に取り付かれ権力に餓えそれを追う者だけが己の手に収め生きていく事ができる世の中。ただ、いつしかその野望の魔の手によって自らの身も・・・。悪党の滅びる様をスッキリと見るか、これも定めと憐れんで見るか。2018/03/25

巨峰

64
足利幕府執事高師直が主人公。鎌倉幕府の滅亡から建武の新政、足利家の内紛、高師直の死までを一気に描く。大作だけど良くまとまっていて一気に読めた。楠正成、北畠顕家、楠正行、敵方の死にざまが印象的でした。2016/10/29

チャーリブ

59
足利家の家宰・高師直の野望の生涯を描く時代小説。高師直というと、仮名手本忠臣蔵のせいで塩冶判官の妻に横恋慕する卑劣漢というイメージが流布しているが、実際はそうではないだろう。「この世は野心と欲心だけでできている」という分かりやすい人生哲学を冷徹に実践する師直は、悪の魅力のようなものを醸し出している。塩冶判官の妻(小説では篠)との出逢いから彼の哲学が揺らいでいくところが面白い。合戦の活写はさすがだが、足利尊氏が躁鬱の人物として描かれているのは残念。無駄のない簡潔な文体。読み応えあり。○2022/06/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8112371
  • ご注意事項