内容説明
死に場所と決めた大坂の陣を真田幸村はいかに生きたか。武将として、父として、愛する女を思いやる男として。幸村を新たな視点で描き出す。合戦小説の精華。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
39
司馬先生の『関ケ原』読了直後で無意識に比較してしまい、多くの点で不満を感じる。言い換えれば司馬作品がいかに優れているかという事。幸村を中心に豊臣方視点の大坂冬・夏の陣。読者は史実の通暁が望ましい。何故なら、ほぼ無名の諸将名を相当数書き連ねており、詳細と言えば聞こえはいいが知識を無駄に垂れ流しているとも言えよう。その意味でもアクセント無く引き伸ばす様な描写手法には場面変転にもメリハリがなく、散漫な印象が残る。セリフに型通りの大時代風言い回しと怪しげな方言が混在しており、文章にリズムが無く読み難さは否めない。2018/05/17
ホームズ
27
大阪入城後の真田幸村の話。久々の津本陽なので真田丸の攻防が始まるまでは少し読みにくい感じがしてしまった。その後は一気に読めた(笑)特に道明寺の戦いの場面はかなり良かったな~(笑)幸村の最期は分かっているし生き残ってほしい気持ちもあるけどもし生き残っていたらここまで人気が出ていたかな~。ヤッパリ日本人は幸村のような最期を好むからまた違ったんだろうな~。2013/06/05
Gummo
19
大坂の陣で師子奮迅の働きを見せ、伊達政宗に二度と合戦をしたくないと思わしめ、徳川家康に二度までも切腹を覚悟させた猛将・真田幸村の勇壮なる最期を描いた作品。歴史に「たられば」はないとは言うけれど、幸村に豊臣方全軍の統率権があれば歴史は変わっていただろう。史実を変えられない無力感を感じながらも、智慧・情愛・勇気・忠義を兼ね備えた幸村の丈夫(ますらお)ぶりに胸が熱くなった。2013/06/04
☆エンジェルよじ☆
13
大阪冬、夏の陣での幸村の活躍を書いたお話。知っているのに「幸村」に惹かれて読んでしまうのは何故?来年の大河のせい?幸村の活躍は凄っかったが城内が被弾され多くの女子供が犠牲になったのを知り「母上も・・・」と幸村に漏らしたひさご様の言葉が痛々しく思った。2015/02/10
キリン
12
幸村、いいね~。大河ドラマが楽しみです。このような本は、著者によって内容(史実)が違ってそれも面白い。2015/09/26