感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p.ntsk
69
何度目かの再読。銀河系を舞台に銀河帝国、自由惑星同盟、フェザーン自治領の興亡を描くSF英雄群像劇。「三国志」を彷彿とさせるものがありますが単なる戦記物に収まらない魅力があります。数多い登場人物にも拘らず人物描写が豊かで作品に深いドラマ性を与えています。専制君主制と民主共和制という異なる政治思想をもつ勢力の構図は勧善懲悪善悪二元論によらない「機動戦士ガンダム」を思い起こさせます。田中芳樹さんの最高傑作だと思います。二人の英雄の登場で銀河の歴史が動き出す壮大なスペースオペラの幕開け。まずは御一読あれ。 2020/03/24
えみ
66
本に関しては雑食を自称している私だけれど…遂に手強い小説がきた！と警鐘を鳴らした小説。それが職場の上司のお薦め『銀河英雄伝説』シリーズ。全くの情報不足だったけれど、アニメや漫画にもなっていて大変世間的には知名度があるシリーズのよう。前評判も仕入れ、いざ頁を捲ると…宇宙戦争に名はカタカナ、しかも登場人物が多い！これは挫折するかも！と戦々恐々。きっと眉間に皺を寄せながら読んでいたに違いない。ただ後半になると政治色は強いものの対立軍のヤンとラインハルト双方の立場が醸し出す危うさの面白さに気付く。次巻も読めそう！2022/06/04
けろり
47
壮大な宇宙物語の序章です。 人物についての細かい書き込み、しっかりと練られている世界観、田中先生の頭の中はどんな風になっているのかと唸らされるばかりでした。 これが未来から過去を振り返って書かれているものだと考えると、様々なところに哀愁を感じずにはいられませんでした。2020/01/03
geshi
31
再アニメ化の前に思い立って読み始める。壮大なスペース・オペラの舞台で繰り広げられる戦いを通した人間ドラマ。勝利のための力を追及する冷徹なラインラルトと緩さを持ちながら芯の部分で優しいヤン、対照的な二人の主人公のキャラクターが生い立ちからしっかり肉付けされていて、話がどれだけ大きくなっても人間として通じる部分が共感できる。過去の兵法を取り入れた戦略・戦術の策謀が本当に面白く、一つの戦いの結果が次の戦いの布石となる物語的・歴史的な綾織りの見事な構成に舌を巻く。2018/03/12
よっし～
26
再読。 既に外伝も含め全巻読んでいるが、何度読んでもワクワクする。おそらく歴史上の様々な戦いをオマージュしてもいるのであろうが、両雄の戦術は読んでいてカタルシスを覚えるほど素晴らしい。 改めて読み直して、長いストーリーだが、1巻でこんなにもストーリーが進展してたんだと驚かされる。 深いテーマもあり、登場人物もかっこよく、台詞もかっこいい、最も好きな小説の1つ。2022/08/19
