出版社内容情報
池袋は少しずつ変容しても、あの男たちは変わらない。池袋のストリートで次々起こるトラブルを巡り、マコトやタカシが躍動する!
石田 衣良[イシダ イラ]
内容説明
IWGP第2シーズン、満を持してスタート!ストリートの“今”を切り取り続けてきた本シリーズ。時を経て池袋は少しずつ変容しているが、あの男たちは変わらない。脱法ドラッグ、仮想通貨、ヘイトスピーチ。次々に火を噴くトラブルをめぐり、マコトやタカシ、そしてとびきりクールな仲間たちが躍動する。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗 ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
このシリーズ再開第1作目で、やはり4つの短編が収められています。最近話題になっていることをうまく物語に仕立て上げてくれて私にとってのむかしの鬼平シリーズのような感じになっています。とくにいいのは主人公がクラシックファンで必ず聴く場面が出てきて私の知っている曲がよく出てきます。筆者の石田さんがクラシックが好きなのでしょうね。2019/05/22
れみ
108
IWGP第2シーズン1作目。ヘイトデモを行う団体とそれを批判する団体と批判するのみならず制裁を加えようとする団体から自分たちの街を守ろうとするマコトとタカシ。その裏で暗躍する存在とは(表題作)。林高泰の中排会とヘ民会に対する評価が辛辣だけどその通りとしか言いようがない。色んなニュースを見たりすると私だって色々思うことはあるけどヘイトスピーチやヘイトデモは不愉快すぎる(ヘイトデモの動画を見る機会があったんだけど…ほんと酷かった)。マコトたちも20代後半(?)になったらしいけど相変わらずでこれからも楽しみ。2019/04/12
ゆいまある
85
石田衣良がヘイトスピーチを書いたら、反動で中韓美化するとか優等生的な話になってつまらないかと思ってた。逆だった。そうならないように意識しすぎて、ヘイト撒き散らす側に恋愛話くっつけてみたり、迎え撃つ側がショボくてテンション上がらない。ブラックスーツで決めたカウンターとか、幾らでもオシャレに書けただろうに。実在した男組とかの方がクール。安田浩一さんの解説があったのが救い。食い足りないけど、ギャンブル依存、なかでもパチンコ依存を書いてくれてありがたかった。産業が三業になってたり今回は校正もイケてない。2019/02/27
ユカ
77
IWGP,久しぶり。10数年前,長野の田舎でこのシリーズを読み,縁あって池袋近辺に棲まうことになりました。東京の人は池袋(というか山手線の北部)はイケてないと感じるらしいのですが,わたしはその感覚が全然なく,好感しかもてません。これもひとえにマコト達のおかげです。いまでも池袋の街を歩くのはとても楽しく,(飲めないので入り浸ることはないけれど)西一番街の近くを通ればマコトを探す。本作からマコト達はアラサーになったようですが,変わらず日本の社会問題を街単位で自治していて,やっぱり,やっぱりかっこいいのです。2016/09/13
ワニニ
75
IWGPに安心・安定という言葉はアリなのか?!…と問われると、何とも言えない。大好きなシリーズ、相変わらずの語り口調とブクロ愛、イマドキの問題を突き付けられて、それを良い塩梅に解決する爽快感と安堵感。カッコよさ。でも、マコトもタカシも大人になった、というか歳取ったというのか。妙な落ち着きが、歯がゆい。このシリーズは絶対また買うし、面白いけれど、環境や立場含めて、成長を求める気持ちも。若ぶって、分かっている風な石田衣良が見え隠れするのが、同様オバサン化している私には、寂しい。いや、好きなんだけれど。 2016/09/07