文春文庫
空白の叫び〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167682040
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「普通の中学生」が、なぜ人を殺したのか──。世界への違和感を抱え、殺人を犯した3人の少年たちの心の軌跡を追う長篇犯罪小説。

内容説明

退屈な日常の中で飼いならしえぬ瘴気を溜め続ける久藤。恵まれた頭脳と容姿を持ちながら、生きる現実感が乏しい葛城。複雑な家庭環境ゆえ、孤独な日々を送る神原。世間への違和感を抱える三人の少年たちは、どこへ向かうのか。少年犯罪をテーマに中学生たちの心の軌跡を描き切った衝撃のミステリー長編。

著者等紹介

貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
昭和43(1968)年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。平成5(1993)年に、第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった「慟哭」で作家デビュー。22(2010)年に、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

186
「貫井さんの代表作!」という感想と読友さんのオススメに触発されて、長編に挑んでみたが・・・中学生の息子を持つ親としては、身につまされる重いストーリー。タイプも環境も違う三人の少年の状況や心情が綿密に書き込まれているので、彼らの葛藤に共感しつつも、危うい言動に先人として大きなお世話をしたくなる。大昔に忘れてしまった思春期のモヤモヤも思い起こされてイライラもするが、先が気になる展開。各々の事情に同情できる部分も多いので、彼らの不幸が最悪にならない事を願いつつ、中巻へ進む。2017/11/30

あも

110
著者の本にしては珍しく先に誘う力が弱い。が、つまらない訳では決してない。崩す瞬間を待ち望みながら丁寧に積木を積み上げるような後ろ暗い期待感を煽られる。思春期の苛立ちを拗らせた凡庸なクズ久藤、金持ちで美形で文武両道の葛城、母に捨てられ叔母と暮らす尚彦。接点のない3人の中学生の話が順繰りに描かれる。三者三様じわじわと坂道を転がり、墜落のラストへ。ここで終わっても後味の悪い一つの転落物語として成り立つのではと思うぐらい読み応えがあった。しかしまだ1部が終わったばかり。落ちた先に何があるのか。続刊へと心がはやる。2018/05/27

nobby

91
久々の貫井作品なのだけれど、改めて自分の好みであることを再確認。いじめ・エリート・寂しさ、三者三様な背景を抱える少年達が堕ちていく様にのめり込んで読んでいた。何より各々の対象が明らかになってきての後半は痛く辛く切なく…これで1/3、早速中巻へと進みます!2014/12/03

Tsuyoshi

77
立場も環境も違う三人の少年がそれぞれ殺人を犯してしまった背景や心境の描写が丁寧に描かれており上巻だけでも一つの作品として十分成り立つ程引き込まれてしまった。三人とも生真面目で自分を追い込んでしまった中で衝動的に犯罪に至ってしまっており、同情できる部分も少なくない。中巻を読んでいきます。2017/11/13

tengen

67
小学生時代いじめにあっていたが今やいじめる側に立ったごく普通の家庭で育った久藤美也、容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能と完璧とも言える恵まれた裕福な家庭の葛城拓馬、父亡く母に捨てられ祖母叔母に育てられるも健気に真っ直ぐ育った貧しい家庭の神原尚彦。3人の中学生が迎える悲しい運命。だが、物語はまだ始まったばかり…☆彡続きを読む手が震える。2016/11/20

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