文春新書
ロシア 闇と魂の国家

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606238
  • NDC分類 302.38
  • Cコード C0295

出版社内容情報

新聞ではわからない、プーチン後のロシアの行方。ドストエフスキーからスターリン、プーチンにいたるまで、ロシアをロシアたらしめる「独裁」「大地」「魂」の謎を、徹底議論する。
『カラマーゾフの兄弟』新訳でドストエフスキー・ブームを巻き起こした東京外語大学長の亀山さんと、外務省でロシアと深く関わった大宅賞作家の佐藤さんが、「ロシア」をめぐり、縦横無尽に対談を行ないました。「ドストエフスキー」から「スターリン」「プーチン」にいたるまで、ロシアをロシアたらしめる「独裁」の謎とは何か。新大統領の下、ロシアはどこへ行くのか。新聞を熟読しても絶対わからない隣の大国の真の姿が、「ロシア」の第一人者の激論から見えてきます。

内容説明

「ドストエフスキー」から「スターリン」、「プーチン」にいたるまで、ロシアをロシアたらしめる「独裁」「大地」「闇」「魂」とは何か。かの国を知り尽くす二人が徹底的に議論する。

目次

第1章 スターリンの復活(二人の出会い;判断と決断;甘い腐臭 ほか)
第2章 ロシアは大審問官を欲する(西欧文明の限界;スターリニズムは「ヒューマニズム」;神と人間との断絶 ほか)
第3章 霊と魂の回復(「知もてロシアは解し得ず」;千年王国への待望;極端から極端へ ほか)

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京外国語大学長

佐藤優[サトウマサル]
1960年東京都生まれ。起訴休職外務事務官・作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。執行猶予付き有罪判決を受け、現在上告中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

72
ケノーシス、ユロージヴイ、ソボールノスチ・・ロシア人独特の精神性。 3分の1くらいはドストエフスキーの話だが、全体に興味深かった。 2008年刊。 ロシア人には中庸がなく、極端から極端に走る、誰もを動かす”物語”の復活、いずれは今みたいになったのだろうか。 ウォッカの4日酔い5日酔い、てすごい。 2022/03/26

翔亀

43
カラマーゾフを読んで満腹の中、デザートとして。ロシアつながりのこの二人、大学時代からの知り合いのためか、噛み合った対談となっている。両者ともどもソ連時代にスパイ容疑で拘束されるなど国家の「闇」を体験しているからこそ、ロシアへの愛情をもってその「魂」を熱く語る姿は説得力がある。ドストエフスキー解釈(亀山)とキリスト教神学(佐藤)を武器に、ロマノフ朝からスターリン時代そしてプーチンまで通底するロシアの<ソボールノスチ>(全一性)を剔出するなど見事。これまで怖くて避けていたロシアに興味が湧いた。意外な収穫。2014/08/13

fseigojp

21
ロシアは、アメリカに負けず劣らずマッチョな国ですねえ ソ連時代のほうが微温湯的で暮らしやすかったとは意外でした。2015/08/07

ちくわん

20
2008年4月の本。佐藤氏の別の本をなかなか読み進むことができないため、こちらを読む。亀山氏が翻訳した「カラマーゾフの兄弟」の作者ドストエフスキーが縦横無尽に登場。読むか、という気に一瞬なった。他にも「モスクワは涙を信じない」やペテルブルグ、タルコフスキーなどロシアなモノが。佐藤氏との交遊から米原万里氏のことも。やはり佐藤氏本は私には難しい。2021/06/06

おとん707

15
二人の膨大な教養、例えばカトリックと正教、ロシア文学、特にドストエフスキー、欧州思想史等々を背景にした対談集なので私のレベルでは半分も理解できない。'08年刊行。ソ連崩壊から17年、プーチン大統領誕生から8年経過時点での対談。この時点でプーチン再任はないと予想しているが外れた。しかし、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、北部カザフスタンに収縮して国家を再建すべきというソルジェニーツィンの主張をプーチンが絡めとったという当時の認識の延長線上に今日のプーチンを読み解く鍵がありそうだ。難解だが精読する価値がある。2022/03/03

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