文春新書
いのち―生命科学に言葉はあるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 294p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604746
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0247

内容説明

生命誕生の瞬間に激変が生じている。ヒト胚、クローン、遺伝子治療…科学技術の急激な進化は、将来の人類に幸福をもたらすか。斯界の第一人者との対話から問題点を抉る。

目次

ドリーの遺言
痛い、もやもやしたもの―鷲田清一との対話
宇宙のなかの人間―柳澤桂子との対話
いのちの始まりと宗教の役割―島薗進との対話
科学者の社会的責任―中辻憲夫との対話
動物と人間の関係―山内一也との対話
センス・オブ・ワンダー―荻巣樹徳との対話
日本人の死生観―額田勲との対話
先端医療を取材して―後藤正治との対話
宇宙で知る地球生命―黒谷明美との対話
遺伝子診断と家族の選択―アリス・ウェクスラー&武藤香織との対話
進化と時間の奇跡―古澤満との対話

著者等紹介

最相葉月[サイショウハズキ]
1963年東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部法律学科卒業。会社勤務を経て20代後半よりフリー編集者・ライターに。主著に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞、小学館文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さきん

26
医学、科学の発達により、どこまで生きているのか、死んでいるのかがわからなくなり、倫理、価値観の違いから生ずるトラブルに一般人も科学者も巻き込まれるようになってきた。そこで著者は、生命科学の現場に立つ先生や倫理委員会の委員などを取材し、今後の生命科学にどう向き合えばよいのか模索する。人によって死の判断基準が異なり、科学者も一般人以上に敏感に研究に取り組んでいるが、その気持ちを論理的に説明することができず、もどかしさを感じていた。2017/01/27

posanian

13
12名の識者と生命の倫理面を中心とした対談の記録- 柳澤氏「『私』というものは、ほかの人みんなに入り込んでいるのであって、自分から死ぬといってはいけないのだと。死は自分のものではない。家族のものであり、医師や友人のものであり、社会のものであり、宇宙から与えられたものだと思うのです。子供を産むことも同じで、宇宙から授かるものだという謙虚な気持ちが大事だと思います。」 生命科学で進化を勉強すると、いのちが自分のものだという考え方はできなくなるようだ。また、日本の教育現場では進化はなかなか教えられない、とも。2013/04/04

ケロたん

2
イモムシの小さな体に心臓が脈動しているのが透けて見える。娘の胸に耳をあて心臓の鼓動を聞いてみる。どちらも同じ命。普段は意識しないが、ここに今いる不思議。謙虚になれました。2014/08/08

yuki

1
作者の立場が中立でなく、バランスを欠いているように思う。生命科学(の一部)への拒否感が所々に表出していて素直に読むことが難しかった。私自身は、少なくとも脳死移植と不妊治療のための体外受精には心理的な抵抗を感じない。作家の後藤正治さんが言っている「25%医療」という言葉のように、違った意見が出るのも当然だが、各々が自分の倫理観によって選択すればよいことではないか。技術が欲望を際限なくさせている、という発言もあった。しかし病気や不妊に悩んだ末、先端医療を望む人に、そのような批判はあたらないと思う。2014/02/10

輝(アキラ)

1
 ES細胞、IPS細胞。すっかり自分の中で耳慣れてきていた。嫌悪感や違和感も薄れてきていた。人類の将来にあるべきものなのか、あってはいけないものなのか、考えろ考えろ、自分の頭で考えろ。まだ答えは出ない。2012/01/29

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