文春新書
民主主義とは何なのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601912
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0230

内容説明

18世紀末に近代民主主義が発明されて二百年余り、世界の人々はその正体から目をそむけつづけてきた。いま、その永い思考停止の歴史に終止符がうたれる。民主主義を根底から検証する本格的論考。

目次

第1章 「いかがわしい言葉」―デモクラシー(民主主義そのものを疑ってみよう;いかがわしい言葉だった「民主主義」 ほか)
第2章 「われとわれとが戦う」病い(まっとうな政治としての「人民のための政治」;ギリシャ民主政の始まり ほか)
第3章 抑制なき力の原理―国民主権(引き継がれた「不和と敵対のイデオロギー」;「主権」とは何か―正しい国政の原理としての「君主主権」 ほか)
第4章 インチキとごまかしの産物―人権(国民主権と人権;権利とは何か ほか)
結語 理性の復権

著者等紹介

長谷川三千子[ハセガワミチコ]
昭和21(1946)年東京都生まれ。東京大学文学部哲学科卒。同大大学院博士課程修了。現在、埼玉大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

53
デモクラシーを「いかがわしい言葉」と指摘し、人権を「インチキとごまかしの産物」とするなど刺激の強い本ではあるが、民主主義について考え直してみようとする人たちには有用な1冊であり、刊行から20年以上経過した現在ではある種の古典とも言える本である。現代のさまざまな問題はポリティカル・コレクトネスやいわゆる「人権問題」など、民主主義と密接な関わりを持つものが多く、民主主義をよい制度だと思っているだけでは民主主義を守ることはできないと感じた。2023/12/30

JUN

9
民主主義の起源などに迫ってなかなか面白かった。近代民主主義の歴史は、まだ浅い。これからも、より良く変化していくんだろうな。2023/12/26

ギルヲ

7
今はどうか知りませんが、わたしは、民主主義はとっても良いものという教育を受けた世代なので、民主主義の悪弊や人権の正体について考察されたこの本はなかなか衝撃的。漠然と感じていた「民主主義はそんなに良いものなのか?」という疑問にひとつの答えを示してくれる本でもあります。ただねー、受験勉強の忘却の彼方にあったホッブスやらロックやら、まー完全なお勉強本なので、読むのがしんどかったです。馬鹿なりに頑張りました(笑)2023/06/20

しろくまZ

7
「国民主権」や「人権」という言葉を聞くと、一般的には思考停止になり、無条件に結構な概念だと認識しがちだが、著者は古代ギリシア、ホッブス、ロックらの思想家やフランス革命、アメリカ独立宣言などに言及しながら、それらを再考し、民主主義そのものに対する疑念、反対の意などを表明している。民主主義は克服すべきものだとのこと。後半部分、特にボロクソに書いているロックの思想に関して、もう少し詳しく説明して欲しかったかな。2014/10/22

かに

6
デモクラシーは時に暴力的なものになる。人権や自由を求めた革命により、多くの血が流れる。革命に「絶対的恣意的権力からの自由」という大義名分が与えられると、革命は正当化される。 「人権」とは人間が人間である限りにおいて持っているかけがえのない価値のこと。だとすれば、「人権」尊重におけるもっとも大切なことは自己修養にはげむことである。人権を損なうのはその人自身であることが多いから。しかし、実際の活動はデモクラシーというイデオロギーになり、自己修養には向かず、悪玉を作り出し、非難しているにすぎない。2023/04/04

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