内容説明
古代には、中国と日本の間で、時に戦い、時に和し、したたかな対応をしていた半島の人々だったが、しだいに文を尚び武を軽視するようになる。ことに十六世紀に入り、朱子学を尊信する文化人の支配が始まると、華夷思想により、中華帝国の藩屏の地位に安住し、国内には観念的な道学的政治論とすさまじい権力闘争(党争)が横行する…。「日韓新時代」といわれながら、依然、日本人には見えにくい隣国の歴史の真相を透視する。
目次
第1章 身近な古代韓国人
第2章 大陸との距離
第3章 消え行く「勇者の時代」
第4章 リアリズムの喪失
第5章 党争と儒教知識人
第6章 華夷思想という麻薬
第7章 心に残る文章
著者等紹介
田中明[タナカアキラ]
1926(大正15)年、愛知県に生れる。小中学校時代をソウルで過ごす。東京大学文学部国文科を卒業、朝日新聞記者に。調査研究室幹事などを経て79年に退社。その間、高麗大学へ留学。拓殖大学海外事情研究所教授、顧問を経て現在、同研究所客員教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。