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Mr.トルネード―藤田哲也 世界の空を救った男

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906737
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

藤田哲也という天才科学者(1920-1998)がいた。

専門は気象学。32歳のとき渡米し、シカゴ大学の教授にまで上り詰め、「Mr.トルネード(竜巻)」と呼ばれた。

藤田の人類への最大の功績は、1970年代に続発していた飛行機事故の原因を「ダウンバースト」という気象現象だと突き止め、飛行機事故を激減させたことである。

「ダウンバースト」とは、突発的に非常に狭い範囲で生じる下降気流であり、起きる直前でなければ、予測不能である。今日、私たちが安心して飛行機に乗れるのは、彼のおかげなのだ。

だが、この功績は、藤田が活躍したアメリカでは広く知られているが、日本ではほとんど知られていない。それだけではない。藤田がどのような人生を歩んだのかが、わかってきたのは、ここ数年のことだ。

本書の著者・佐々木健一氏は、そんな藤田哲也の人生に強く惹かれ、アメリカ全土、総移動距離3万キロを超える取材を敢行して、その人生を追いかけた。

そして、NHKのテレビ番組「ブレイブ 勇敢なる者」シリーズの第一弾として、藤田の人生を描く「Mr.トルネード」を制作した(2016年5月2日放映)。

本書は、「ダウンバースト」現象の解明を軸に、番組には収めきれなかった成果を盛り込んで書き上げられた、世界初の藤田哲也の本格的評伝である。



評伝でありながら、小説より面白い。

藤田の映画が見たくなる。



天才科学者の人生は、「数奇な人生」(singular life)でもあったことが明らかになる、わくわくする科学者の物語がここに誕生した。

内容説明

1975年、シカゴ。藤田哲也の元に一本の電話があった。それは、ある飛行機事故の謎を解いてほしい、という依頼だった―。こんな日本人がいた!飛行機事故を激減させた天才気象学者の物語。

目次

序章 離陸
第1章 魔の風
第2章 謎の男
第3章 幸運
第4章 米国
第5章 日本
第6章 原爆
第7章 論争
第8章 勇気
第9章 変化
第10章 人生
終章 着陸

著者等紹介

佐々木健一[ササキケンイチ]
1977年、札幌市生まれ。早稲田大学卒業後、NHKエデュケーショナル入社。ディレクターとして『哲子の部屋』、『ブレイブ 勇敢なる者』シリーズなどを企画・制作。『哲子の部屋』で第31回ATP賞優秀賞、『Dr.MITSUYA 世界初のエイズ治療薬を発見した男』でアメリカ国際フィルム・ビデオ祭2016ドキュメンタリー部門(健康・医療分野)シルバースクリーン賞を受賞。2014年、第30回ATP賞最優秀賞、第40回放送文化基金賞優秀賞を受賞した『ケンボー先生と山田先生―辞書に人生を捧げた二人の男』を元に執筆した『辞書になった男』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

132
小学館に収らない取材記録も盛り込んだ内容。予算問題、離婚、先走った言動、ついてこれない周囲への苛立ち…ありがちとはいえ天才の素顔に迫る貴重証言も多く、国籍を捨てても原爆調査を思い返しながら日本人であることを誇り続けた藤田の情熱や苦悩により豊かな色合いが付加された。休日の過ごし方、帰国の断念、病への向き合い方などは生粋の科学者気質を物語る。最後にゴミ箱論文の謎を持ってきたのは効果的、幸運は自分で掴みにいくものだ。日本で脚光を浴びない藤田哲也への取っ掛かりに最適な書。あたり前の中には勇敢な偉業が埋もれている。2022/08/06

ぶんこ

53
竜巻の研究と謎の航空機事故の原因「ダウンバースト」を発見した気象学者。元々は物理学を専攻して若き助教授だったのが、気象学にのめり込んでいく過程で、数々の強運に恵まれた人。常識に囚われない研究バカ?である藤田さんにとって、日本ではなくシカゴ大学で研究に没頭できたのが功績に繋がったと思えました。飛行機の安全性が格段にあがった功績は、日本でももっと評価されていいのではという言葉に共感。研究バカではありますが、子どものような一途で可愛らしい一面に惹かれました。2018/06/30

Tadashi_N

35
竜巻だけの人と思っていたが、航空機の安全運行への影響が大きいので、日本でももっと知られるべき。専門家の縄張り意識が邪魔してる?2018/06/17

007 kazu

30
一流のエンタメ伝記。飛行機は年に数回乗るが本書を読んだ後ではその体験も変わりそうだ。アメリカで起きた墜落事故の原因究明に従事、下降気流ダウンバーストを発見した藤田哲也。飛行機の墜落事故を劇的に減らし、国際的な評価を得ているにも関わらず日本でその名が広く知られることはなかった。かつての同僚にインタビューを重ね、天才故か癖のある人物像が浮き上がり、ダウンバースト発見時に猛批判を食らいながらも信念を貫く。藤田がダウンバースト発見に至る契機に被爆地長崎での爆心地調査の経験があったことを突き止める描写は鳥肌が立つ。2023/11/20

さきん

26
藤田スケールは竜巻の規模を示すカテゴリーで、名前は知っていたが人となりは知らなかった。一番貢献したとされるのは、竜巻研究以上にダウンバーストという突発性下降気流。この解明で飛行機事故を劇的に減らした。他にも、人工衛星画像データの補正や原爆爆心地の推定など、機械工学や物理の経験を生かした三次元で考える強みを生かした業績が多い。2019/12/29

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