収容所(ラーゲリ)から来た遺書

収容所(ラーゲリ)から来た遺書

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163432700
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

敗戦から十一年目に家族が手にした五通の遺書に秘められた驚くべき事実とは?初めて明らかにされた日本人抑留者たちの感動の行為

内容説明

〈バアル人々ヨ、必ズコノ遺書ヲ私の家庭ニ伝ヘ給ヘ…〉敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。それらは厳しいソ連監視網をいかに潜り抜けたのか?極寒と飢餓と重労働の抑留生活に屈しなかった男の、したたかな知性と篤き友情を描いた感動のノンフィクション力作。

目次

1章 ウラル日本人俘虜
2章 赤い寒波―マロース
3章 アムール句会
4章 祖国からの便り
5章 シベリアの「海鳴り」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nyaoko

72
この本を読んで下さいコミュで紹介されていた本です。戦後73年となった今年、最早シベリア抑留と言う言葉さえ今の若い人達は知らないかもしれない。戦争が終わっても旧ソ連に捕虜として留め置かれ、強制労働と言う過酷な環境下にいた日本人が何万人もいた。「ダモイ・帰国」を夢見ては何度も絶望し、微かな希望に必死にしがみつく長い長い戦いの記録。諦めず腐らずやけにならず、歌や詩を書いて同胞を励まし続けた山本。彼の遺した手紙を記憶として脳に心に刻みつけ、遺族に届けた仲間の力に読んでいて目頭が熱くなった。2018/10/17

クリママ

54
シベリア抑留については少し読んだことがある。厳寒の地での過酷な労働、粗末すぎる食事、病気… だが、この作品ではそれ以外のこと、彼を知る人達への取材から、山本幡男氏のことが語られている。厳しい状況の中で希望を失わず、高い教養、知識をもって秘密裏に句会などを催す。ソ連から密告を強いられる同胞も多く、約60万人が帰国する中、なおもラーゲリに残され、癌に侵されても治療も受けられず、妻子に5000字に及ぶ遺書を書く。発覚没収を怖れ、仲間たちが全て暗記して遺族に届ける。その熱い思い、そして、そう決意させる彼の人柄。⇒2022/04/16

ちえ

32
映画「ラーゲリより愛を込めて」鑑賞後に原作であるこちらを。主人公の山本幡男さんと満鉄時代やシベリアで関わることとなった人達からの詳細な聞き取り。12年にも渡るシベリア抑留の凄まじさ、その中で帰国(ダモイ)も希望を失わず、捕虜になった人達の精神的な支えとなり続けた山本さん。映画ではあまりわからなかった周囲の人たち一人一人の背景や戦争の歴史、戦中から戦後の国際間の問題なども詳しくとても考えさせられる。2023/11/02

まる子

28
映画のタイミングで読んだノンフィクション。シベリアに抑留された日本人。敗戦したのだから帰還できるはずが、極寒の地で、粗末な扱いを受けた労働者たち。山本幡多男もそのひとり。生きて帰る、妻と子どもたちのために。その願いは叶う事はなかったー。日本ではない場所で孤独に亡くなった彼の遺書は昭和31年の帰還後、半年の間に6人の男により一字一句違わずに暗記され届けられた。彼が仲間に慕われていたか、彼のために繋いだ遺書。映画を観たらきっと泣けてしまう…。2022/12/24

ばんだねいっぺい

24
 暗く絶望的な収容所にその楽天主義とアムール句会などの文学の力で光を与えた山本幡男。最愛の妻への手紙は圧巻の一言。瀬島龍三の客観的な視座の鋭さが印象深く、次はそちらを読みたい。2017/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/477474
  • ご注意事項