出版社内容情報
香奈子が死んだ──。男女の間に交わされたメールの文面から紐解かれる、至上の愛の軌跡。著者が全身全霊でとりくんだ恋愛小説!
内容説明
どんなに愛していても、ずっと一緒にいることはできない。だから、心は…投資組合を経営する「わたし」が出逢った、風俗嬢サクラ。彼女とのメール交換から、すべてが始まった―。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まど
35
投資組合を順調に経営する男性と、不治の病を抱えた風俗嬢の不倫の話。最後まで読むと、表紙の意味や日本語と英語両方で記されたタイトルの意味がわかって切ないです。仕事も順調、お金もあって、家族は仲良し、いい友達もいて、八方に顔が利いてと欠点のない男性が、窮地にあったときに冷静に思考する様子が「頭のいい人ってこんな考え方をするんだな」ということと、不倫慣れしている人の不倫ってこんな感じなのだろうかっていうのが興味深かったです。2011/09/13
さゆ
29
読み終わると装丁の写真の意味がわかる。Ⅰ型糖尿病という病気の理解は広く深まるとは思うが、それでも、西崎と加奈子のつながりは、私にはよく解らない。っていうか共感できない。二人の関係だけでなく、そもそも、特に同性だからかもしれないが加奈子という人間がわからない。2011/05/08
ひろ
24
恋愛小説はあまり得意ではなく苦戦したが、終局に向かい一気に引き込まれた。涙腺崩壊2018/11/03
柊子
18
最低。お粗末な一冊だ。村上龍の名が泣くのでは? 身内にこの病気の人(20代)がいるけれど、生き方や病気に対する心構えが、物語の風俗嬢とは雲泥の差だ。 「心はあなたのもとに」という決め台詞もキモチワルイ。が、風俗嬢の具合が悪いのかも・・・と思いながら、様子を確認しようとしない男もひどい。つまり、どっちもどっちかな。2014/05/10
風眠
17
村上龍の書くものは、わりと好きなはずだったんだけど・・・。私には合わなかったのか、とても村上龍が書いた作品だとは思えなかった。ケンジの理屈っぽさと、ほんとに好きなのか?と疑問に感じる行動とか、それがケンジの魅力になっていたなら納得して読めたのかもしれないけど、残念ながら全然そうは思えなかった。また、香奈子が患っているI型糖尿病については、取材不足なのではないかと感じてしまった。このお話はつまり、ラストのベンチに行き着くための長い長い物語だった・・・ということでしょうか。2011/12/14