出版社内容情報
新世紀の有人月探査船・オリオン３号の宇宙飛行士が感染したのは、正体不明の致死性ウイルスだった！ コントロールを失なった探査船は、千葉県船橋市のタワーマンションを直撃する。広がるウイルス渦！ 分断される人々！ 空前の規模で描かれる超災害ミステリ。
内容説明
それは人間の進歩を証明する、栄光に満ちたミッションのはずだった―。新しい時代の有人月探査「オリオン計画」で、月面のシャクルトン・クレーターに降り立った宇宙飛行士が吐血して急死する。死因は正体不明のウィルスへの感染…！？生き残ったクルーは地球への帰還を懸命に試みるが、残酷な運命に翻弄されて日本列島へ墜落する―致死性のウィルスと共に…。空前絶後の墜落事故！そして未曾有のバイオハザード！極限状況の中で、人間は人間自身を救い希望を見出すことができるのか。クリスティー賞史上、最大のスケールで描かれる超災害ミステリ。
著者等紹介
穂波了［ホナミリョウ］
１９８０年生まれ。千葉県出身。別名義で、２００６年に第１回ポプラ社小説大賞を受賞している。２０１９年、『月よりの代弁者』（出版に際して『月の落とし子』に改題）で第９回アガサ・クリスティー賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
212
月の裏側にあるシャクルトン・クレーターの永久影に潜んでいたウィルスによる、SFパニック小説。探索ロケットオリオン3号の墜落、千葉県船橋市の封鎖、無症候性キャリアによる感染拡大。そんな恐怖と不安に立ち向かう、JAXA職員、感染症研究員、救助隊、医療関係者、そして市民たち。コロナ禍に直面する現状との重なりに戦慄すると共に、彼らのひた向きな戦いに勇気づけられる。今こそ協力して、この危機に立ち向かおう。我々には、それだけの底力がある。そうだろ、日本の皆さん。2020/04/29
美紀ちゃん
140
月の裏側の永久影を探索する調査隊が未知のウィルスに感染し5人のうち4人が発症し命を落とす。残りの1人は、そのウィルスを地球に持ち込まないために努力するがトラブルが重なり日本の千葉県船橋市に落下。マンションに激突。もう大変な事態！最初から引き込まれて一気読み。緊迫感と迫力に圧倒された。コロナ禍の前に書かれた作品。最後の、ブラックボックス内に残っていた、お兄さん晃さんの言葉に涙が出た。日本は強い。問題も困難も難関も災難も日本ならば乗り越えることができる。アガサクリスティー賞2021/08/31
hiace9000
119
「面白い」には入るものの、他の方のレビューのまま、私も同感…とさせていただきます😓。 しかし、本書発刊3ヶ月後、よもやのコロナパンデミックが全世界で現実化し、本書の都市封鎖ロックダウンが一部の国では半ば予言となってしまったことの方に驚きが大きいですね。日本が本作で描かれた「リアル船橋化」しなかったことの方が、工藤宇宙飛行士の遺した名言"日本の底知れない力"だった⁉︎と言えそうです。人類未知のウィルスがそこに！という発想は◎！ 『ヘイルメアリー』にもその危険性は、あったのかも…ふと気になりました😅2022/11/08
ゆみねこ
103
月面探査に赴いた宇宙飛行士が謎の吐血をして死亡、原因は正体不明のウィルス。生き残ったクルーは決死の地球帰還を試みるが、制御不能になり日本に墜落する。墜落事故は多くの犠牲者を出し、致死性のウィルスがばらまかれる。その時為政者が取った行動、下した決断は？ まさに見えない敵と闘う今の日本のようで、一気に引き込まれて夢中で読破。2020/03/08
ﾓﾙｸ
102
月面調査のため５人の宇宙飛行士たちは月の裏側の土壌を採取するが、船長と副船長が血を吐いて倒れ死ぬ。そして遺体を運んだ船内でも次々と…残るは日本人工藤のみ。地球への帰還を試みるが…。墜落そして未知のウイルスの拡散と事態は悪化をたどる。工藤、工藤の妹でJAXAの職員茉由そして感染症研究員深田が各章の主人公となる。未知のウイルスのによるバイオハザードはコロナの脅威を抱える現在と交差する。迅速なる判断と行動力が必要となる。団結し、耐え、思いやりたち向かねばならぬ試練の時タイムリーな作品だった。題名がうまい！2020/03/19
